召喚と書いて、"かいもん"と読む
所で皆さん、既にお気づきの方も一定数居られると
思うが、主人公は地球と異世界を干渉させ合う
事が出来る。そして、彼と猫を殺したチンピラ達の
死亡は、"まだ確認されていない"。
俺は得たものの大きさに、高笑いが止まらなかった。
(ん? クラクラするな。…………出血死する前に、
回復と補給かな)
一旦落ち着くために一先ずは回復ポーション、
栄養ポーションを2杯飲み干した。
「ふぅ、…………傷が恐ろしい速度で塞がっている。
これはポーションじゃなくて、俺自身の治癒力
由来だな」
同時にレベルも上がったのだろうなと思い、
ステータス画面を見てみた。
・ショウ レベル55(+37) 職業 : 召喚士
HP 40/1200 MP 100/6000
物理攻撃力 800
物理防御力 400
魔法攻撃力 6600
魔法防御力 5100
身体操作性 200
敏捷性 600
幸運力 200
称号 無能召喚士、男未満、荷物持ちの荷物、
ノロマ、超感覚人間、海王神召還士(NEW)、
メテオストライカー(NEW)、座標マニア(NEW)
「…………スッゲェレベリングだぜ。ま、SS級
モンスターを倒せば当然か。スキルはどうなって
いるかな?」
召喚レベル8(+2)
座標移動レベル8(+4)
痛覚耐性レベル8(NEW)
激痛軽減レベル3(NEW)
治癒力レベル8(NEW)
超回復レベル1(NEW)
視覚レベル8
聴覚レベル8
嗅覚レベル8(+4)
触覚レベル8(+1)
第六感レベル8(+2)
遠視レベル5(+1)
明目レベル7(+2)
反響定位レベル8(+4)
絶対音感レベル1(NEW)
軌跡嗅読レベル1(NEW)
臭分解析レベル1(NEW)
空力感知レベル1(NEW)
動振感知レベル1(NEW)
揺感知レベル1(NEW)
殺気感知レベル3(NEW)
未来予測レベル1(NEW)
異世界観察レベル8(+8)(NEW)
第10426宇宙式物理現象適応
「…………相変わらず攻撃面が貧相だが、得られたものは
多そうだな。それに、物理現象適応スキルで一時期は
酷い敏捷性の低下があったが、物理攻撃力と身体操作性
…………つまりは筋力と運動神経が向上すれば、改善して
いきそうだな。ま、俺に必要な速さは反応速度の方
だけどね。さぁて!」
レッドドラゴンの素材を纏めつつ、これから
やるべきことを整理しよう。
まず、アーロン達にとって、俺は確実に死んだ
ことになっているだろう。
「そしたら、冒険者ギルドや女王様にも、殿とか
適当な理由を着けて死んだ報告をするだろうな」
って事は、下手に名乗り出て、アーロン辺りに
暗殺されるよりも、名前を隠す、或いは偽名を
名乗って1から冒険者を再開した方が良いな。
そして…………
「あの4人は、このままにしておけない。生きてきた
ことを後悔するような、死を懇願したくなるほどの
苦痛を与えてやる!…………だが、いくら頂上の火力を
手に入れても、アーロンのような速すぎる相手を
倒すためには、俺自身の反射神経や召喚速度、
判断速度を上げなければダメだな」
今回、レッドドラゴンを倒せた要因としては、
やはり相手の機動力を、油断している内に奪えた事が
大きかった。
「それにしても…………地球の物質を召喚出来るって
ことはさ、地球の人々にも干渉できるって事だよね
…………」
ふと思い立った俺は、地球の座標を帰宅中の学生の
10m先に変動指定し、中召喚を唱えてから、
こちら側の門をドラゴンの頭の方へと動かした。
~地球・通学路~
「あー、むしゃくしゃするなぁ!! な~んで俺には
彼女出来ねーんだ! レイジのクソDV野郎なんて、
先月10人目と付き合って、一昨日DVが理由で
別れたってのに! 俺だったら優しく出来るのによぉ!!」
THE、冴えない男子高校生といった見た目の彼は、
自分に彼女が出来ず、性格最悪の男はモテまくる事に
イラついていた。
「はぁ~~、メガネにすすめられた小説みたいに、
異世界転生して、俺ツエープレーして、巨乳ハーレム
作って、その子達とも俺ツエープレー(R18)して~な~」
彼が小恥ずかしい妄想に浸っていた時だった。
「…………え?」
目の前に、純白に光る回廊が現れたのだ。
「う、嘘…………こ、これって…………」
少年は悟った。普段誰もいじめず、落とし物を
拾う等の善行を重ねた自分に、神様がご褒美を
くれたのだと。
「ああ…………(人前で)品行方正にしていて良かっ…!!?
………………」
自身が吸い込まれる、或いは、女神辺りが出てくる
ことを予想していた少年は、出てきたモノに絶句した。
「ドッ、ド、ド、ド…………」
産まれたての小鹿の如く両足を震わせ、汗は全身から
滝のごとく溢れでていた。
「ドラゴオォォォオオオオン!!!! うわああああああ!!!!」
脳天を何かに貫かれ、両目は白目を剥き、
その口元からは涎が滴る、赤い竜の頭が
現れたのだ。当然、彼は叫びながら逃走を
開始したのだが、回廊の主が組み込んだ
魔法のせいで、竜の頭が自動追尾してくる。
『ズズズ…………』
数秒後、竜の頭が回廊の中に戻ると同時に、
回廊も閉じた。
それでも、少年は20秒ほど、走り続ける羽目となった。
~とある異世界~
「…………悪いことしちゃったなぁ」
先程の回廊…………召喚の門を開いたショウは、
あの少年に申し訳ない事をしてしまったと苦笑いした。
「しかし、お陰で確信した!」
地球には、こちら側から干渉できるということを。
「君が被験者になってくれたお陰で、これから多くの
命が救われることになる。これは俺が必ず保証する!」
立ち上がり、自身は洞窟から出るように歩みつつ、
地球の座標をチンピラ達のいる場所へと向かわせ
始めた。
最後までお読みくださりありがとうございます。




