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48. 3人

「ここまで人員を減らされてしまったか」

部屋に残された王、姫、そして白魔法使いは最後の部屋にいた。

「どうも敵の方が何枚も上手なのではないか」困ったように王は呟いた。

「状況が何も分からないのが問題ね。城の外がどうなっているか・・・」ソランが心配そうにしているのが声の調子から伺える。

「ここもいつまで無事なのか・・・」王は城の外の様子を見に行くように壁際に向かっていった。

「心配ないわよ。今回はかつてないほど人員に恵まれているわ。ここにだってユハ君とお父様が」

王は返事をしなかった。窓の外を見たまま固まっている。

「・・・ユハ。こうなった時の対処は1つだ。分かっているな。信じているぞ」

「お父様・・・?」姫はいきなり父の言いだした言葉の意味が分からず、ずっとその背中を見つめている。

王の目が捉えていたのは、遥か城の向こう、城下町の方角、その上空に突如として現れた巨大な黒い影であった。

王はそのまま窓を開ける。言葉にするより行動が速かった。身を乗り出し、外へと落ちていった。

「お父様!!!」ソランが窓へと駆け寄ろうとする。その手をユハが掴み、それ以上活かせないようにした。開け放たれた窓から見えたのは、空を駆ける一頭のシカの姿であった。

「どうして・・どうして・・・」

もはやこの状況を説明できる者はこの場に存在しない。嗚咽を堪える姫を連れて、ユハはその部屋へと連れていく。部屋に彼女を一人にさせると、外から鍵をかけた。

最期の瞬間は反省、絶望に浸る時間も与えられず、もはや皆それぞれがバラバラであった。


「アッサーニアス・ストリーク」

大司書サーロンは呪文を唱える。彼の目もまた、市街地の上空、翼をはためかせて迫っている怪物に向けられていた。

この呪文によって、図書館はみるみるとその姿を消していった。あの竜もまた、この建物を認知することはないだろう。

王からの命令の中でも最も重要度が高いのが、この図書館を守ることであった。王が国民、そしてその娘を守るように、この大司書にもこの国の財産を守る務めがある。

「クスか」

彼の手許には、竜の図鑑が開かれていた。

「やはり原産はイカゴ。突如として現れてきたことを考えると持ち込まれたものだろう」

更にその特徴を調べる。

「これは・・・」

すぐに司書を呼びつけた。

「マズい。あの竜の火炎はかなり損害の範囲が広い。街がひとたまりもなくなるぞ」

城への伝言を司書に託し、自信は竜の様子を見に行った。

「まさか・・?」

更に驚くべきことが起こっている。あの姿は、空を駆ける、あのシカの姿は。

「王様は・・・クスと戦おうというのか?」

彼の心のざわめきは、もうその体を止めることはできない。王に直接その情報を伝える方法は一つ。間に合わなければ、王の命が失われる。

「王様ぁぁぁぁああああああ!」

サーロンもまた、その身をアサゴの空へと投げ出した。

「コグニートゥ!」


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