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28.ショーフェンからの帰還

9名は帰りの道を急いでいた。ここに新たに加わっているソールという男は、山海賊の副賊長である。腕っぷしに自身があるためか、7名分の荷物を軽々かついで尚余裕のある様子で彼らについてきていた。ヲサイヤは彼の申し出を断った。

「初めてだろう。王都に来るのは」かく言う彼も、ショフェンへと至るのは初めての出来事であった。

「そうだな。生まれ故郷を離れるというのも今回が初めてだ」

「まだ若いだろう。これまで何をしてきた?」

「俺はこれから首領になる。それまで父様の補佐をしている」

「俺たちの事、どのように聞いている」

「さあね。遠い国の王様のところからの使者だとしか聞いていないし、正直な話、あんたたちのことなんてなあんも分かっちゃいねえんだ。外の世界を見るのもいいだろうって、父様が言ってくれたのさ」声の調子から、少し打ち解けてきたことが分かる。まだ彼も青年なのだ。

「やはりな。そういうことだ」

「そういうこととは・・・?」上級魔法使いが問う。

「最初から仕組まれていたことだ。あの晩の襲来も、このせがれを寄越すこともな」

「まさか・・・!?」

「おそらくあの盗賊たちはあちらで用意した者だろう。力試しをするつもりでだ。しかし、殺されるとまでは思わなかっただろうがな。向こうの案内人が即日城に我々を入れていい権限なんてある筈がない。元々そういう指示にしてあったんだ。盗賊に負ける程の弱者なら王都からの使者であるはずがないだろうから放っておくつもりだったのだ。逆に、打ち倒せれば王からの使者である可能性はあるからシュラッケンに合う権利はあると」

「そんなことが・・・」

「それに、山賊の長だが海賊の長だか知らんが、それだけの偉い人が一日や二日であの砦にいるのも変な話だと思った。だから、俺は迷わずこいつを選んだんだ」

「なるほど・・・つまり最初から試すつもりで・・・」

「まあ、そこまで国交もなかった国だ。元々大した期待などしておかない方が良かったな」

「おいおい。おいらそんなに期待されてないのかい?」ソールは退屈な顔を見せていった。既に道のりの半分まで来ている。彼に荷物を持ってもらっているおかげで進みがかなり速い。それでいて雪道には足跡一つついていない。この器用さと馬力の強さは並大抵のものではないだろう。直賊長の器となるだけのものではあると、ヲサイヤは思った。しかし、王は何と思うだろうか。山海賊の里からの助力はこの男一人だけと知ったら、彼は何というだろう。

 その思いを引きずったまま王都に帰還した彼は、今度はまた別の心配をしなければいけなくなった。まだ王が帰ってきていないのだ。


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