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13.衝突

ヲサイヤとニラードは、尖塔が見える位置まで来ていた。ニラードが黒人形を見るのは初めてのことである。尖塔は数名の兵士による交代制で、国の「困難」を封じていた。いわゆる警察という組織の代わりをこの王室が務めているので、この一本の塔にまとめてアサゴの大罪たちが収監されている。丁度塔の中間あたりの層に、二人は人形を封じ込めていた。

もう近くまで来ていた二人だが、何か様子のおかしいことに気付く。

「どうしてみな塔を向いているのだ」

彼らは通常、外部から塔への干渉を退けるためにそこにいる。それが逆の方向を向いているということは、すなわち内部で問題が起こっているということを意味する。

「早く行ってみましょうよ」

兵のところまで近づくと、その数が奇妙なことになっているのに二人とも気が付いた。

「兵の数はジャニー含めて7。そして5つあるのは・・・」

こちらの存在に気付いた兵長は、相手へ意識を向けつつ、ヲサイヤに話しかける。

「問題です。塔の一部が破壊され、中から奴らが漏れ出たようです」

ゆらゆらと歩いているのか止まっているのか分からないその人形たちと兵士たちは、互いに緊張状態を保っていた。次の瞬間、気付いた時には既に、衝突が始まっているだろう。

ニラードとヲサイヤが兵たちの前に出ていた。ヲサイヤは分かっていた。黒人形と兵士では分があまりにこちらに悪い。自分たちが突破口にならねば。

さっと二人は白い光の鳥に姿を変え、一閃。敵の方へ向かっていった。各々が一体ずつを補足し、残りの三体は二人の突入を躱したあとで、兵の方へ向かっていった。

「いいかお前達、焦るな。俺がついてる。こんなわけも分からないやつらに引けを取るわけはない」

ジャニーは構え、他6人も従った。

少し前に立っているジャニーを3体同時に襲いにかかってきたため、他の兵たちも前へ出て食い止めようと試みた。ジャニーは飛び上がり、中央から襲い掛かってくる人形の頭の部分を掴んで組み伏せた。黒人形の2体はさっと向きを変え、不意を突かれた兵たちに攻撃を仕掛ける。彼らの予想よりもいくらか速く手を打った人形の動きに対応できず、構の姿勢を取ることができなかった兵の心臓を、黒い人形の腕が貫いた。断末魔の叫びをあげる暇もないまま命が絶たれたその死体から、血がドロドロと黒い手の部分を伝っていくのを2人の兵士は見ていることしかできず、また残りの3人はというと、人形の手刀を防いでギリギリの状態で立っていることしかできなかった。白の盾にひびが入り始め、まずいと我に返った残りの2人が駆け出したが、その後ろには既に先ほどの人形の手が迫っていた。


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