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11.執事の中継

王と執事は共にいた。自身の部屋で、ガンセンはソニーワイドを通じて現地の様子を知ることができた。

「現在、二人を取り囲むように黒人形が迫っています。アサゴよりのイカゴの岬、そうお二人が最初にたどり着いた場所です」

「して、その数は」

「15ほどです。しかし、両者の距離は更に狭まっています。どうなることやら」

「どう見る。ソニーワイド」

「相手の力が未知数である以上は、どうも予覚に明るくありません。勝敗の行方は彼ら次第です。ユハ様も、ヲサイヤ様もそれなりに経験の積んだ魔法使い故、健闘はしますでしょうが」

執事も、目を瞑り、伝えられるヴィジョンに集中した。

「人形の一体がとびかかりました。ユハ様がそれを往なし、ヲサイヤ様が追撃をかけました。二人は現在背中合わせに立ち、依然相手の出方を伺っています」

「ユハ様が光球を放ち、その隙にヲサイヤ様が飛び出します。そしてまた2体片付けました。どうやら、戦闘力の差はなかなかのものかと」

「それなら心配いらないな」

「しかし、敵方は速いですね。お二人の逃避が叶わなかったことを考えると、かなりのものです」

「続けてくれ」

「黒人形が今度は5体同時に仕掛けます。これにはヲサイヤ様も反応が間に合わず、最初の2体を始末した後で拘束されてしまいました。ユハ様が助けに向かいます」

「4人ごと吹き飛ばし、ヲサイヤ様も間一髪で助かりました。しかしまた・・・」

「何だ」

ガンセンはここに来て初めて、落ち着かない様子を見せた。この国を衛る白魔法使いの2人である。ここで失っては、敵の侵略に耐えうる戦力の敗北、ということになる。彼らの身を案じる王は、自身をなだめた。

「ヲサイヤ様は足に負傷を作ってしまいました。それでも、相手の攻撃を何度も退けています。ユハ様は果敢に飛び込み、相手の数を着々と減らしています」

「敵の数がついに5体になりました。ヲサイヤ様は無事とは言えませんが、ユハ様は何ということはありません」

「今度はヲサイヤ様が光の輪を作り出し、空中に放ちました。それに黒人形が気を取られた刹那、ユハ様が檻を空に生み出し、果たして捕捉します」

「おお、うまくいったのか」

「はい。今、檻ごとこちらに向かおうとしているみたいです。少ししたらこちらに戻るでしょう。ヲサイヤ様の治療を手配しておきます」

「よくやったと伝えてくれ」

王は自身が身を乗り出した姿勢をしているのに気が付き、ゆっくりと再び背もたれに身を預けた。


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