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シャイボーイ
「秋くんはかなりのシャイボーイだったね」
翌日、学校で柚希は、笑里に昨日の報告をした。
「悠莉も緊張で全然話さないし、大丈夫なの?」
(大丈夫なわけない…ーーー)
「でも、格好良かったわ、秋くん。」
「うん」
(確かに、格好良かった…)
秋に告白する前に小学校時代の友達に彼女がいるのか聞いた時、地元の中学でも秋はモテているのに、誰とも付き合わずいつも断っているらしい。
(そんなモテる人が…なんで私にはあっさりオッケーしたんだろう…)
「うんって!悠莉、素直じゃん!」
柚希がからかうように言う。
「や、えっと…ーーー」
無意識に頷いていた自分に、戸惑った。
「ま、私は昨日会った謙介くんのが話しやすくてタイプだわ。また四人で遊ぼうよ」
「―――うん」
柚希は金子が携帯電話を持っているらしく、なにやら頻繁に連絡をとっているようだった。
だから翌日には、
「今度謙介くんと秋くんの家で遊ぶことになったから」
と、驚きの早さで次の予定を決めてきたのだった。
「え…家?」
(しかも…秋の…――――?)
私は、急な展開に全くついていけなかった。