彼氏彼女としての再会
「あ…久しぶり」
「うん」
柚希と私は待ち合わせていた駅前で、秋と久しぶりに再会した。
だけど、向こうは「うん」と言ってから何も喋ってこない。
「じゃあ、とりあえずカラオケとか行こっか」
柚希がそう言ってカラオケに向かうことになった。
秋は…ーーー背が高くなっていた。
私の背は160センチで、小学校の時からかなり伸びたはずなのに、同じぐらいだった秋は、170センチは越えていた。
そんな秋と並んで歩くなんて、小学校の時では考えられなかった。
秋が連れてきた柚希のお相手は、小学校の時同じクラスだった金子謙介だった。
金子も背が伸びていて、声変わりしていた。
(当たり前…なんだよね…ーーー)
私が知ってる小学校時代の男子はまだ子供で…ーーー中学3年にもなればそりゃ成長するわけで…ーー。
でも、お子ちゃま男子に免疫はあっても、中学生の大人びた男子とは免疫のない私は、どう接していいのか分からずにいた。
結局一言も会話することなく、カラオケルームに着いた。
柚希は金子と仲良くなったらしく、楽しく話をしている。
(どうしよう…何話そう…ーーー)
そんなことばかり考えていた私は、結局その日なにも話せないまま帰ることになってしまった。