おかしな展開
「寮まで送ってくれるの?」
外山くんが運転していた私に、そう言った。
「え?」
ちょうど信号が赤に変わり、ブレーキを踏んで私は外山くんの方を見る。
「それとも、あんたの家?」
「・・・は?」
(“あんた”?今、“あんた”って言った?)
「めんどくさかったら、あんたの家でも俺は構わないけど?」
―――ちょっとの言動で、未来が変わる。
それは、今夜のことで実感したんだけど。
(なんなの?私がビビるとか思ってる?私だって“あんた”のこと何とも思ってないんだから!)
「いいよ、私も」
挑発に乗るように、私はそう答えていた。
部屋に入ると、冬なのに寒い。エアコンもつけないままだったからだ。ちなみにエアコン以外の暖房器具は我が家にはない。
「シャワー勝手に使っていいよ」
「どーも」
私の部屋を見渡しながら、外山くんが言った。
「っていうか…あんたの家、随分殺風景なんだな」
「あぁ。必要最低限のモノに囲まれて暮らしてるからね」
そう言いながら、テレビをつける。
外山くんはシャワーに入らずに、カーペットの上にごろ寝しだした。
「ねぇ、お客様用の布団とかうちにないんだけど」
「うん?あ、いいよ床で。」
「や。それはさすがに…」
硬くて痛そうだな、と思っていた矢先、彼がこちらを向いた。
「じゃあなに、俺もベッドで寝てもいいの?」
(なっ、なんなの?―――私、試されてる?)
私は外山くんなんて何とも思ってない。
だから、構わない。
外山くんも、私のことは興味ない。
だから、問題ないはずで。
「…いいよ?」
私はドキマギしながら、そう答えていた。




