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冷める
「はぁ?それって彼氏のこともう嫌いってこと?」
会社での昼休み、いつものように食堂では私の恋ばなが始まった。
「………どうかな」
「どうかなって、テンション下がりすぎだから」
栄子が呆れたように私を見る。
「そんなイチイチちょっとしたことで嫌いになってたら誰とも付き合えないよ?」
友子の言葉がぐさりと胸に刺さった。
(分かってるよ…そんなこと…)
「でもさ、まぁ向こうは初めての彼女って言ってたんでしょ?」
「まぁ…」
「慣れてないのは仕方ないし、てかむしろ可愛いじゃん」
栄子がニヤリと笑う。
「可愛い?いやいや、そんなの求めてないから!」
私は首を左右に思い切り振る。
「そもそも私、自分のこと好きになられると冷めるんだよね…すぐ」
「何それ?」
「…分かんないけど。いつもそうなの。だから―――やっぱりもうダメかもしんない」
一度相手に失望したら、そこから好きになることはなかった。
今までずっと、この繰り返しだ。
「熱しやすく冷めやすいってこと?鉄のような女だね」
「…うまくないから」
栄子の冗談めいた発言に、私はため息をつく。
(深刻なのよ…この性格が…――――)




