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デートのあとで
結局地元へと戻り、通りかかったファミレスで少し遅めのランチをすることになった。
「雨で残念だったね」
「うん」
メニューのオーダーも終え、料理が来るまでの間、会話に困り私がそう言うと、彼は頷くだけ。
――――そんな愛おしいものを見るように私を見ないでくれないかな…。
私のこと、なにも知らないくせに。
料理を食べ終わって、彼が席を立ちながら言った。
「あ、じゃあお会計。半分貰える?」
(え?割り勘?!)
驚いた私は、つい返事が遅れてしまう。
「…うん」
「悠莉ちゃん」
車に戻り、助手席に座ると彼が言った。
「本当に付き合ってくれるんだよね?俺と」
ドキッとした。いや、ギクッとしたのかもしれない。
「う、うん…」
「良かった。じゃあお願いがあるんだけど」
彼が少し照れながら口を開く。
(えっ、お、お願い?キスとか?え、急すぎる!!)
「あのさ、写メ…記念に今、一緒に撮ってもいいかな?」
「あ、うん…」
(写メか。びっくりした…。って写メ?ツーショットで写メなんて初めて撮るんだけど!!)
その時の笑顔は、絶対引きつっていたと思った。




