19/53
歪んでる私
私のことを好きなんじゃないかと思っていたCくんこと、
高橋一くんには、最初から好感など持っていない。
私にお誘いメールをしてくる時点で、すでに嫌悪感しかなかった。
それでも彼を切らなかったのは、
私が追いかけていた人にフラれたとき用の、いわば代役。
「悠莉ちゃん、日曜映画でもどうかな?」
「あぁ、ごめん!その映画観たかったんだけど日曜は先約があって。また誘ってね」
これでまた、暫く連絡しないで放置しておく。
次によさそうなCくんが現れるまでの繋ぎとして。
酷いことをしていると分かっているのに私は、
こうやって、合コンで知り合った男の人を常にABCの三種類に振り分けて三人と疑似恋愛をして、心を満たしていた。
こんなことで心を満たしている私は、完全に歪んでいる。
でも、高校時代の…あのトラウマのせいで、私は誰ともまともに付き合えないでいた。
このまま一生、恋愛なんて出来ずに独り身かもしれない。
そう思ったら、ひどく虚しく思えてきた。
(秋のせいで…ーーー秋が私をあんな風に傷付けたから…ーーー)
秋のことを忘れたいのに…私は結局いつも、こうして秋を思い出してしまう。




