合コンの席で
最初は緊張した合コンも、回数を重ねると慣れてくるものだ。
今では幹事になることがほとんどだ。
初めて会う男の人を見る瞬間が、私の中での楽しみだった。
クリアかどうかの条件は三つ。
自分より背が高いか、話しやすいか、そして、あまりがっついてこない人。
金曜の会社帰り、会社の違う部署の人に頼まれて、
私は合コンの幹事をしていた。
私は同僚の渚と一つ上の太田先輩に合コンの話を持ちかけた。
渚は同僚の中で唯一彼氏と別れたばかりだった。
そして太田先輩は…モテない残念な女子。
金曜は午後に半休をとって、帰っていったのに、待ち合わせの時間に来なかった。
(太田先輩…なんで休みとって先帰ったのにまだ来ないんだろ?)
渚と先に店に入っていると、先輩からメールが来た。
「ごめん、ちょっと遅れるから先に始めてて」
「うわ、先輩の必殺技出たよ…」
渚の言葉に、私が首をかしげると、
「“遅れてごめんなさーい”って高めの声で言いながら登場する気だわ。先輩の十八番よ。」
「マジか…」
「それで視線を独り占め、的なね。先輩よくやるわ…」
渚と私は呆れていた。
暫くすると、男の人たち三人が居酒屋の個室にやって来た。
「こんばんわー」「はじめましてー」
そんなところから、自己紹介が始まる。
そしてお互いが自己紹介を終えて雑談していると、
先輩が現れた。
「遅くなっちゃってごめんねー」
地声より高めの声で、先輩が登場した。
(あれ?今日会社ではパンツスタイルだったのに、スカートはいてる…しかもアイメイクバッチリ過ぎて怖い。)
さすが残念な女…と思いながらも、(あ、私もか…)と自嘲する。
「ところで皆こんな可愛いのに本当に彼氏いないの?」
男の人の一人が、ビールを飲みながら言う。
「いないから今日来てるんですよー」
私が笑って答える。
(好きな人はいるけど、彼氏ではないですから)
内心そんなことを思っている私は、相当歪んでるんだろうか?




