第24章 1mと紅蓮の指輪⑥
光が収まった直後、俺と姫は番兵に取り押さえられた。
明らかに姫を抑える力の方が弱い。差別だろ、それ。
「くっ……そぉ……」
「フン。お前達の会話は筒抜けだったんだよ。ワザと泳がせて正解だった」
「?」
何故、それが正解なんだ?
「指輪は力を得た。貴様達のお陰でな」
番兵はそう言い、俺の指から指輪を取ろうとする。
姫から、いや、思いを寄せる人から、俺が貰った、たった一つの物。
「やッ……めろぉぉおぉぉぉぉ!」
俺は取り押さえられたまま叫んだ。
その瞬間、俺の体は自由になっていた。
「「え?」」
俺と、俺を取り押さえた番兵の声だった。
今、俺は、俺を取り押さえていた番兵の真後ろに居る。
番兵は、俺が突然居なくなった事で困惑してるらしい。
気持ちは凄く分かるが、同情なんてしてられない。
俺は残った全ての力を込めて、姫の所へ走った。
俺の足音で我に帰った番兵が俺を再び捕らえようとする。
が、それは叶わなかった。
番兵が俺の腕を掴む寸前、俺の体は再び移動した。瞬間移動、とでも言うべきか。
姫の話が本当なら、この瞬間移動は指輪の力、と言う事になる。
とにかく、俺は自分の足の力とそれ以外の力で、姫の所まで辿り着いた。
俺を二度も取り押さえ損なった方の番兵は、腰を抜かしていた。
二回も『何故か』人間が消えたら、そりゃ腰だって抜かすだろう。
姫を取り押さえていた方の番兵は、震えていた。
そりゃそうだ。目の前で人間が瞬間移動紛いの事をしているのだから。
番兵には既に、姫を取り押さえる力なんて残っていなかった。
ならば、やる事は一つ。俺は姫に手を伸ばし。
そして、何処かへ。追っ手が来れない何処かへ。二人で走り出した。




