4.設定なんてかなぐり捨ててしまえ
俺からは逃れられないぜ。
なんたって俺は人が生み出したんだからな。
責任持って育てねえとな。
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ゲームの事しか考えてなかった彼の視界が急に上下に動いた。
原付がその衝撃に耐え切れず、ハンドルを操作しても間に合わなかった彼は原付と共に転んでしまった。
「……まじかよ」
幸い怪我はしなかったが、彼の原付はアスファルトを強く擦り付け傷がついてしまった。
それよりも彼はこけた場所を見た驚きの方が大きかった。
整備されて何年も経ったアスファルトに空いていたのは大きな穴だ。
いくらガタガタになった古い道でもこんな事にはならないであろう不自然な穴は爆撃が起きるか、
「なぁお前はこの身体と同じ生き物か?」
隕石が落ちた時に生まれるクレーターだ。
「俺ってばよく分かんねえんだけど、本能が、言ってるんだよ。殺してぇってな、人の事を」
彼女が視界から消えたと思ったら、もう彼は地面に叩きつけられていた。
大きな衝撃が彼の体に耐え切れず口から大量の血を流す。
彼の周りはクレーターが出来ていた。
先のクレーターは彼女の力だったのだ。
ヒトならざるモノ。
かつて人だった物が外的要因により、力を得た。力が大きいほど、人としての意識を無くし力へと飲み込まれてしまう。
行動理念は元の人間が抱いてた感情に流されやすい。
まさに今ここにいるのがそれだ。
そしてそれはゲームの中にある設定でしかない。
だが彼はそんな事を考える余裕は全く無く、すでに生死の境を彷徨っていた。
「しっかしよぉ、人ってのは脆いんだなぁ。もうちょっと骨のある奴だと思ったんだんだけど、これじゃあ拍子抜けだな」
彼女はもう彼には興味を無くしていた。
そんな彼の方から無機質な機械音声が流れ出していた。
-本人認証確認
-血量最大値採取完了
-御伽噺解析終了
-チュートリアルお疲れ様でございました