表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/6

2.この作品の設定は皆の心にあるよ

「出番だ」

彼が発したその一言は虚空へ消えた。

しかし、何も起こるはずがないその虚空に答える者がそこにはいた。


「相変わらず人使いが荒いな、お前は。いや、俺はか弱くて繊細な女の子だから、女癖が悪いと言った方が適切か?」


いつそこにいたのか。空気が、ゆらゆらと揺れる様子が視覚から確認できる。それは空間を歪めた様にも見える。

現れたのは、ほぼ完成された容姿を持つ思春期の少女。

の皮を被ったナニかであった。


「俺をそこら辺の動物以下の人間(モーラン)と一緒にしないでくれ。純粋の中の純粋だからな?」


少女は口角を上げ、容姿には全く似合わない不適な笑みを浮かべた。


「お前が猿でも人で何でもいいんだけどよ、どちらにせよ迂闊だったな。こんな悪い女に引っかかるんだからよ」


「……あぁ悪い女(デーモン)だよお前は」


人が出せる限界を余裕で超えた脚力で少女は敵へと向かって行った。




♯♯




只上 唯滝(ただうえ ただたき)

彼はバイトが終わってから日課のゲームを起動していた。

last dayzだけが彼の染み付いた習慣で、それ以外は食事をしてネットサーフィンをして寝るくらいだ。

高校卒業後、就職して数年で辞めてからバイトで食いつなぐ毎日。

周りはもっぱら結婚の話ばかりで自分だけが何処か取り残された感覚だった。


このゲームはそんな自分と同じ時間を共有でしていた。

止まった時間は動く事は無い。


来世に期待しよう。


もし自分が何かの手違いで生まれ変われたなら、よくある異世界無双の様な話の様に頑張ろう。


でもどうだろう。


こんな自分を神が見た時、果たして無双出来る力を与えてくれるのか。


無いな。


例えば、このゲームの様に不運に巻き込まれる主人公ならどうだろう。


それは何も持っていない自分にピッタリだ。


しかし何も持っていない者に待っているのは、何も無い日常で、


彼の願いは叶う事は無い。


叶えたいのなら出会わなければならない。


物語に。


ーようこそ。

ーここが貴方の始まった瞬間(ビギニング)

ーfirst days です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ