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1.設定を複雑にしたら自分ですら理解出来ない

多分読んでる人なんていないでしょうから大丈夫だと思いますが、ガラッと変えます。

誰だよこんな訳ワカメな設定考えた奴は

「私とあなたは糸で繋がっているの」


赤く染まった景色に浮かび上がる線は、周りの赤よりも鮮明な紅だった。

彼女の心臓と彼の心臓を繋ぐ一筋のパスは、幻想的で何より魅惑的な感情を引き出す。


「さながら運命の赤い糸ですかね?」


そう答えた彼は散らばった破片を踏みつぶしながら、彼女の元へとやってくる。

もう原型のない人だった物が無数に散らばった廃墟には二人しかいない。

血道バージンロードを二人寄り添って歩く。


「あなたは私を支えてくれますか?」


そう答えた彼女は左手の小指を差し出す。


「じゃあ君は僕を支えてくれますか?」


そう答えた彼は右手の小指を差し出す。


―もちろん。私達は一心同体です。


絡められた小指と小指に紅線が集まり、一つの形になる。

二人の小指にはこの教室にあるどの赤よりも紅く染まった指輪がはまっている。

結婚式はこれで終わる。

契約は受理された。


これで彼らは晴れて魔法使いになるのだ。






スマートフォンの画面に表示された文章はとあるゲームの序章だった。

このゲームは文章を読む事が主体のノベルゲームと呼ばれるものである。


良く言えば昔ながらで、悪く言えば時代遅れのゲームだ。

近年のアプリは質がかなり上昇しており、3Dでさながら据え置きの有名ゲーム機にも劣らないクオリティの物が登場している。

しかしその中でもこういったゲームが支持されている事もある。

大概は有名なゲームの移植だったり、スマホゲーム産業にいち早く参入したゲームがほとんどだ。


このゲームはそういった事例には当てはまらなかった。

スマホからの新規参入で、無名のシナリオライターに無名のイラストレーターで無名のゲーム会社。

スマホ産業が儲かると知って慌てて参入したであろうこのゲームは多数のクオリティの高いゲームの中に埋もれ、ひっそりと運営されていた。


ただこのゲームの支持する数少ないユーザーがいた。


彼はいわゆるミーハーと呼ばれる存在で、手当たり次第に新しくリリースされるアプリゲームに手を出していた。

このゲームもその1つだった。

しかしやっていくうちにストーリーに魅せられどのゲームよりも優先するようになっていた。


特に新しい要素も斬新な設定がある訳ではなかったが、どこかリアルを感じていた。

主人公に感情移入する訳では無く、俯瞰して見ているような感覚。世界に溶け込んでいたのだ。



彼の日課になったゲームを起動する。



簡易なフォントで表示された題名を連打ですぐにスタート画面まで移行。

キャラクターを育てる為のクエストを周り、スタミナを消費する。


いずれ来たるであろう新しいストーリーに向けて万全の状態を整えていた。



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