淡い甘い儚い気泡
潮騒
遠くに聴こえる
窓から射す淡い月
穏やかなさざなみ
窓辺にかすかな雲の影
まるで揺り籠
いつまでもいつまでも
静かに そして穏やかに
潮風が吹き込んでくる
甘い眠りに誘われていく
月光
水平線に金色を浮かべる
部屋の中に光を振り射す
棚の本もぬいぐるみも
みんな蒼い青に染まる
静穏な 静謐な
水底の音も聴こえそう
吐く息は泡になって上る
涼やかな風は淡やかな波
深海の向こうを透かし見る
やがて緩やかにまどろむ
陽の香る白いシーツも
ベッドに投げ出した手足も
夜の海の青色に染めて
ひっそりと眠りへ誘われる
耳の底に潮騒の風
暮れていく瞼の裏に
眠るまにまに見る夢は
深蒼の中で幽かに抱える
ゆらゆら漂う淡い思い出