第八話 食事も大事
エアコンです。
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「ふう、ダンジョン攻略だな」
「そうですね。あそこの光に触れて下さい」
「分かった。脱出用経路だな」
この洞窟のイメージとは違うのだが、少し離れたところに縦型に光が差し込んでいる。
触れてみた……
【このダンジョンから脱出しますか?】
(YES)
そうすると今度は俺たちも光に包まれ、瞬間移動した。
飛ばされた先は……ダンジョンの前だった。さっきと同じ草原が広がり、まだ夜遅くだった。
「そういやぁ、今のクイーンスライム、俺だから倒せたけど初心者に倒せるのか?」
「一応精霊が援護しますし、クイーンスライム実はHP1なんですよ」
「弱っ!」
「では報酬を確認しましょうか」
(メニューオープン)
メニューを見ると、報酬の画面はやはりあった。
「えっと……5000金貨、応急薬×5、クイーンスライムの液体」
「クイーンスライムの液体ですか! レアドロップです」
「おっ運が良いな。でも報酬こんだけか?」
「最初はこんなもんですよ」
「次もっとレベルの高いとこ行こうぜ」
「そうですね……それにしても一旦街へ戻りましょう」
俺たちは街へ戻ることにした。
何故かお腹が減っている。この世界ではそういう概念があるのかな?
もしかしたらどんどん体力も減ってるかも……
そんな事を考えているうちに街の明かりが段々と近付いて来る。
「着いたー何故だか安心するな。それにしても腹減ったな……食事の概念ってあるのか?」
「もちろん。ずっと食べないと死んでしまいます」
「じゃあ食堂へ行こう」
食堂はさっき寄った武器屋に隣接されている。夜中なので混んではいない。
食堂へ入ると風に乗って良い匂いがやって来た。
さらに食欲が高まって行く。
何でも良いから食わせろ……と言いたいところだがここは安いのを頼みたい。
おにぎりに、カレー、焼き鳥丼、ビフテキ、スライムサイダーなんてのもあるがここは……
「じゃあおにぎり2つとお茶下さい」
「あいよ。合わせて500金貨だよ」
割烹着を着たおばさんは頼んだ商品を渡した
後ろに食事をするスペースがある。ここで食べるとするか。
それにしてもスライムサイダーなんて飲むバカが……
何!?
辺りにはスライムサイダーを飲む人しか見当たらない。
いや、美味いなんて訳ないよな。そうだよな。
「リン、スライムサイダーは飲まなくて……」
リンは俺の言葉には全く耳を向けず、ただただスライムサイダーを見ていた。
しょうがない。買ってやるかぁ……
「スライムサイダー、一つ下さい」
「ごめんねお兄ちゃん。たった今終わっちゃったんだよ」
「そうですか」
俺は特に悲しそうな顔もせずその場から去ったが、後ろに並んでいた別の客は皆肩を落としていた。
「ご主人様……勿体無い……」
「そんな美味いのかそれ?」
「はい。ここの街の名産品であり、世界で買えるのはここのみ。スライムの旨味エキスのみを使用し、サイダーと組み合わせる事でコクが生まれるのですそれで……」
「分かったから。今度飲んでみるよ」
「本当ですか!? 嬉しい限りです」
リンの目はさっきまでとは一変して輝いていた。
その時何故か食欲が湧かず、おにぎりは一つしか食べれなかった。
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