第三話 フィールド
俺は瞬きもしない間にフィールドと言われる場所へ飛ばされた。
やはり聖域とは違い、神秘的な感じは無い。ずっと真っ平らな草原が広がっている。
遠くには大っきな塔が見えたり、洞窟や街も見える。
お? 俺の視界の左上に“始まりの平原”と表示される。
まさかと思い、メガネを外すとそれは視界から消えた。
「リン、このメガネは色々と凄いんだな」
「みんながみんなメガネでは無いんです」
「というと?」
「それは初期アイテムなんです。色んな機能が搭載されてます。プレイヤー全員が持っていて、それは時計なのかも知れないし、携帯電話など何でもアリなんです。それがご主人様はメガネだった、という事なんです。ちなみに位置データや敵のデータを読み取ることを、サードアイ《第三の目》と言います」
メガネが一番使い易いじゃんと思ったが、次の質問に移る。
このゲームの目的がラスボス討伐であるが、魔物、レベル、能力値などのゲーム的要素はないのかな?
「自分の能力値とかはどうすれば分かるんだ?」
「それは全て私が記憶しております」
「じゃあ俺の能力を言ってくれ」
「しかしここは危ないんで近くの街に行きましょう。ご主人様」
街で説明をしてくれるらしい。
リンが先導してくれたが、向っている街はさっき見えた場所だ。
まだまだ日は照っている。
俺と妖精の様にふわふわと浮かぶ少女、リンはその見える街へ向かった。
街までは数分位しか掛からなかった。
途中、メガネのボタンを押すと現在の時間などが表示される事を知った。
そして街の入り口にはゲートの様な物が設置されていた。
「このゲートは街やダンジョンに入るのに通らなければいけないのです」
「分かった! このメガネが必要なんだな」
やけに脳の回転が速い。
「その通りです。流石ご主人様天才ですっ」
ともかく俺たちは街へ入った。
「ここなら安全ですね!」
「じゃあ俺のステータスを……」
「了解で……え!?」
「どした?」
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