第一話 ゲームスタート
はぁ……
俺は葉山 迅。
遂にこの前高校生になった15歳だ。新学年や新学期はとても楽しみな物だと思う。
俺だって大好きだったさ。小学4年生位までは。
家の学校はニ年置きにクラス替えを行う。
4年生まではいじめっ子なんかと同じクラスにはならなかったけれど、そこが運の尽き。
5年からこの高校1年になるまでいじめっ子にずっと付きまとわれた。
転校も考えたけど、家にはそんな金は無い。
兄が一人いるが、ずっとネトゲ。
俺もしたかったけど、何故か親は俺だけ自由にさせてくれなかった。
そのお陰もあってか学歴はまあまあだが。
理由は「兄の様になって欲しくない」らしい。
ただ高校に入りやっと空気が変わるかもしれない、そう思ってた矢先にまた問題に差し掛かる。
高校に行く金が無いらしい。
児童手当? 受け取ったよ。でもそんな金も直ぐに使い果たす。
やはり大学2年の兄だ。課金ゲーにハマってる。
相談しようにも「止めろ」の「や」の字で兄は暴力的になってしまう。
自殺? 一度は考えたけど……やっぱり金が欲しいね。
「じゃあね」
…………来た…………!
俺のチャンスはこの、親が出掛ける時だ。
パソコンをいじってられる。チャットでもすっか……
普段はオンラインゲームのチャットを使用しているが、今日はチャット部屋に行った。
ここでいいか。さっきまでのログを見てみるか……
名無し)人生が悲しくなって来た。 (2013/2/15 17:42)
黒騎士エース)あー分かる分かる、
オッサンになった今でも思うわ…… (2013/2/15 17:43)
名無し)エースさん、オッサンなの!? (2013/2/15 17:44)
海老助)こんばんは、えびすけです。
何話してるんですか? (2013/2/15 17:45)
黒騎士エース)新入りか。
ここは人生に疲れた奴らが集まるんだ。
今は二人だが、いつもは7人位いる。 (2013/2/15 17:46)
海老助)宜しくです。早速なんですが、人生に疲れたのならここ行ってみな。
金も稼げるし、登録簡単だし。
URL貼っとくから見てみな。
これ→http:…………… (2013/2/15 17:50)
名無し)コピペ乙! 行ってくる。 (2013/2/15 17:50)
ふーん、登録簡単らしいし、金も稼げるし、行ってみるか。
操作方法とかは説明してくれるよな。多分。
そして俺は怪しげなサイトのURLの目の前へ導かれた。
クリックする。
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「いい加減ご主人様起きて下さい!」
「!?」
どっどうなってるんだ?
俺は海老なんとかっていう奴にチャット部屋で金儲けのサイトを紹介されて……
そんでクリックしたらこうだ。
近くに精霊は浮いてるし、メガネかけてないはずの俺がメガネかけてるし。
茶髪で身長の高い外見は何故かそっくりだが。
そして俺は赤色のガウンの様な物をまとっている。
そして……何故か聖域的な場所にいる。
さっき「ご主人様」がなんとかって言ってた精霊は緑の髪がとても綺麗だ。
顔立ちはそこそこで真っ黒の瞳はとても輝いている。
精霊のリアルさからして「ゲーム」と言うには本当に完成度が高い。
人間がいつこんな技術を身に付けたかが謎だ。でもこのゲーム、どこで行われてるんだろう。パソコン内か?
後この精霊は1人に1匹付くのか? っていう分からない事もある。
さっきは聖域で片付けたけれどここが何処かもハッキリとは分からない。
「……………ご主人様……新たな事実が発覚しました」
「その前にここは何処ですか。あなたは誰ですか。これを教えてくれ」
「ご主人様……」
「だから!」
「ではまずこの場所から説明します。まあご主人様の場合二度と来ないと思われますが」
「なんだその物言いは。まあ説明頼む」
「ここは“カム”の聖域といいます。聖域の細かい説明は後ほど」
ここはやはり聖域らしい。もっと詳細な説明が欲しいんだが。
「そして私の名前ですが“リン”と言います」
「じゃあ普通にリンって呼べばいいな」
「はい。後まだまだ説明する事があるんですよ。一番大事なことを言ってないんです」
「言ってくれよ」
「はい。では最後に確認があります。チュートリアルを受けますか?」
「だから早く言ってくれ!」
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