第十話 修練の塔
エアコンです。
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段々と塔が視界に広がってくる。夜中の今でも異様な存在感を放っている。
「ここか」
真上を見上げるとその塔の高さが分かる。
何階層くらいあるのかは分からないが、20は超えそうだ。
「では突入しましょう」
修練の塔に入ると雰囲気はさっきまでと一変した。
まず目の前に広がるのは石造りのホールと螺旋階段だ。
縦長に渦巻く螺旋階段は上を見上げても終わりが見えない。
ホールには、ぽつんと青い光を放つ水晶しか無い。
取り敢えずはセーブ、と。
水晶に触れる。
【現在までの状況をセーブしますか?】
(YES )
【セーブが完了しました】
最初のホールにはモンスターと見られる姿は無いので次のフロアへ向かうべく階段を上る。
少々ビビりながらも難無く次のフロアへ行く。
ここにも敵が居ない。
次のフロアへ向かう階段に足を掛ける。
「待って下さいご主人様!」
「どし……おい!」
なんで真後ろにスライムが……10体は超えてるぞ。
遂に敵が現れたか。
階段では戦いにくいので次のフロアへ向かおうとする……が。
「ご主人様後ろにも!」
背後には見覚えの無いカラスの様なモンスターが3体程。
「何だと! いつの間に……くそッ」
いつモンスターにこんなスキを与えたのか覚えが無い。
とにかく俺はとても戦いにくい場所で囲まれた。
戦うしか無い。
「リン! あのカラスのデータを!」
「了解です!」
まずはスライムからだ。
こいつは移動速度が遅い。俺の能力値を生かして……刺す! 刺す!
スムーズにスライムは倒せる。
HPの少ない俺は背後だけ気を付けよう。
階段の壁に背中を合わせて跳んで来るスライムを次々に斬る。
そろそろカラスも来るかもしれない。
カラスはどこだ……
「ご主人様! データ取り終えました! ……ってご主人様上!」
「へ?」
上を見上げるとカラスはスタンバイしており、くちばしをこちらに向けていた。
「危ねぇ!」
ふっと頭上に盾を振り上げ、防御。そのままくちばしは盾に刺さり、カラスは気絶したようだ。
スライムは殲滅したが、カラスはまだ飛んでいる。剣など届かない。
「今の内に説明します! あれはヤタガラスというモンスターです。めちゃくちゃくちばしが堅いのが特徴です。どうにかそれを利用して……」
「もう利用したよ!」
俺は盾をリンに見せてやった。
でもこの盾、使い物にならなくないか……
「でも油断はしないで下さいね! まだ2体飛んでます」
どうすればいいか……近付いたら危ないし。
……そうだ!
「リン! そいつをこちらに誘き寄せろ!」
「ですが……どうやって?」
「ふっふっふ……このおにぎりを使うんだ!」
俺の作戦はこうだ。
おにぎりを設置→ヤタガラスが来る→斬る
以上。簡単過ぎるぜ!
「分かりました!」
リンはこちらに来て少しのおにぎりを手に取り、遠くの場所へ置いた。
ヤタガラスは警戒しながらも近付く。しばらくおにぎりを睨みつけた後、俺に背を向けぬようゆっくりと近付く。
やがて警戒が解け、勝手に食事を始めたヤタガラスを軽快に斬った。
「これこそが邪道というものさ」




