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あなたを忘れない。

作者: ティア

この話は私が実際に体験した出来事です。

皆さんには『忘れられない言葉』というものがあるだろうか・・・


あの日、夏休みの部活の後、午後から遊ぶ約束をしていた彼女と私。


でも、昼食を終えたとき電話のベルが鳴った。


「これから家族と海に行く事になったんだ。ゴメンね。また別の日に遊ぼうね。バイバイ。」


彼女からの電話だった。







2時間後。


慌てて外から駆け込んできた弟の知らせを聞き、彼女が海で溺れている事を知った。耳を疑った。


急いで海へ向かう。


溺れたのは彼女と彼女の妹だった。


船やヘリが捜索を急いでいる。


私も必死に探した。


不安だった・・・


恐かった・・・


目を凝らしてみても見つからない・・・


お願い!助かって!!


心から祈った。


すると隣で探していた先輩が声をあげた。







「誰か向こうに居る!!」







指差した方を見る。


何かが浮き沈みしている。


すぐ近くの人に告げた。


しかし・・・


「あの辺は、もう探したけど居なかったから、海藻か何かじゃないかい?」


と言われた・・・


焦る気持ちが募る。


でも波打ち際では、もうどうする事も出来なかった。


歯痒さを抱え、後ろ髪引かれる思いで一旦、帰宅した。







午後5時。


ニュースで見つかったという情報を聞き、再び海へと向かった。


さっき、先輩が指差した辺りの上空でヘリが旋回している。


地元のダイバーの方が岩の近くで沈んでいた彼女を見つけたのだった。







彼女は・・すでに亡くなっていた・・・







お葬式、火葬、納骨。


悲しくて苦しい時間が過ぎていった・・・







私は現在、中学3年生。


あの日から、だいぶ時間もたった。


1日1日が穏やかに過ぎていく。


皆、落ち着いた生活に流されている。


でも、彼女の居なくなった空間の中で、時々、私の耳に飛び込んでくる、







「死ね。」







と、いう言葉。


友達同士が、ふざけている中での、1言なのだろうが、私には辛く悲しい響きに聞こえてならない。


そんな時、私は彼女の笑顔・声を思い出す。


そして、あの時の火葬場の匂いも・・・


皆、忘れないで欲しい。


生きたくても、生き続けられなかった私たちの仲間の事を・・・


簡単に

「死」

という言葉を口に出してはならない。


デイゴが咲き、暑くなるといつも彼女を思い出す。


もし、生きていたら・・・


クラスは一緒だったろうか・・・


高校は、何処に行こうとしていたのかな・・・


私は、8月23日という日を決して忘れない。


そして、命のはかなさを。


当たり前に過ぎる日々の尊さを。


身を持って教えてくれた彼女に伝えたい。







「ありがとう。また、きっと会おうね。そして、今度こそ一緒に遊ぼうよ!


私、あなたを忘れない。」

どうだったでしょうか。前書きにも、ありましたが、全て実話です。これは私が校内、奄美市、大島郡での弁論大会で優秀な成績を収める事が出来た弁論原稿を小説として執筆したものです。ぜひ、評価お願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 早速ですが感想です。 実話が基、という事なので、デリケートな部分が多いのはしょうがない事、書き手としてもそこには気を遣うと思います。 ただ、コレは私見なのですが、『…
[一言] 心の痛みが伝わります。ちょっとはっとさせられました。子供の頃、父を亡くしてその時当分「死」ってどういうことなのか、死んだらどうなるとか、自分も死ぬの?とか考えてしまって、毎日が怖くて眠れなか…
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