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星からのプレゼント  作者: ハイダウェイ
2/4

2話

掃除とかすると運気が上昇したりしますよねー^^

結局1日中掃除と模様替えをしていて気がついたら夜7時を回っていた。

ホントなら簡単な食事で済ませるつもりだったけど、さっきのカレンダーを見て

12月24日の夜まで健気に働く自分に何かご褒美があげたくなり、少しだけ贅沢しようと思った。


先日買ったルーズネックのカットソーにデニムを合わせ、お気に入りのロングブーツ。それにモッズコートを羽織っただけのラフなスタイルで夜の街に繰り出した。

住んでるワンルームは結構都心に近く、地下鉄を使えば20分ほどで繁華街に出られる。

家賃は5万2千円と自分にとって安くは無いけど、あまり贅沢をしなければ

何とかやっていける。

今夜は特別なのだ。

どこにしようか?しばらく行き先を考えていて、去年裕子と一緒に行ったダイニングバーを思い出した。

オシャレなレンガ作りの外観でイタリア料理がメインのバーだが、カウンターがあり若い女性客が一人で来ることも珍しくないような店だった。

駅から5分ほど歩き真鍮しんちゅうに書かれたDolce.Vitaの文字を見て店の名前を思い出した。


「そうそう!ドルチェ・ビータだった!」


思わず独り言を言ってしまい、ちょっと恥ずかしかった。

気分はそれほどノッているのだ。


甘い生活かぁ・・・関係ないね。そんな事を考えながら店の中に入ると予想外の盛況ぶりだ。

カップルばかり・・・

去年来た時はそれほど混んでなかったし、女性客が多かったのに・・・なんで?


「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」ちょっとオドオドしながら立ち竦んでる私に、見覚えのあるウエイターが声をかけてくれた。


「あっ・・・はい。混んでそうですね?」


「すいませんねー。 先日テレビの取材があってからちょっと忙しくて・・・」


「じゃあ・・・また来ますね・・・」そう言って店を出ようとした時、カウンターの男性がマスターに何か言ったようだった。


「こちらの席でよろしければ・・・」

マスターがカウンターの空いてるところを指しながら微笑んでる。


「どうぞ どうぞ・・・どうもフラれたみたいで・・・」

そう言いながらスーツ姿の男性がこちらを見た。


「ナベさんいつもの事じゃないですかぁー」マスターがその男性客に笑いながら話しかけている。常連さんなのだろうか?


「今夜も一人寂しく、マスターのダジャレ聞きながら飲むターキーは格別だわ」

なんか面白そうな人だ。 ちゃんと顔は見てないけど結構いい感じじゃないかな?

いい席が空いてた。そう思いながら座ると、さっきのウエイターが話しかけてきた。


「いつだったか・・・裕子さんとご一緒にいらっしゃいましたよね?」


「あっ!・・・憶えてるんですか? スゴイ!」


「ええ。きれいな方は全員インプットされてますんで」

そう言いながらシェーカーを振っている。

良かったぁ・・・こんないい気分になれるなんて久しぶりだな。

もっとお給料があったなら、毎日でも来たくなるのかもしれない。そんな雰囲気だ。


「お飲み物は?」


「えっと・・・ワインを・・・赤で・・・」

お酒はあんまり強くはないけど、今日は少し飲んでみたかった。


「あっ・・・それじゃあボクの一緒に飲まない? 今開けてもらったんだけど・・・一人じゃ飲み切れそうもないから・・・」


「そんな・・・悪いですよー」


「いいの、いいの。 マスターグラスをもう一つ」


「はい。良かったですねー。寂しくなくなって」


「じゃあ・・・素敵な夜に・・・乾杯!」

優しそうな横顔でチラッと私を見ながらその男性が言った。


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