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星からのプレゼント  作者: ハイダウェイ
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1話

いつも年末にバタバタと大掃除をする私が、何となく部屋の模様替えをするつもりで

はじめた掃除・・・

アホみたいに重いチェストやAVラックを移動させ、後ろに溜まった長年のホコリをキレイにすると、なんだか部屋のよどんだ空気が澄んでいくような気がする。


「今年もあと26日で終わりかぁ・・・」

カレンダーを見ながらふとつぶやいてみた。


12月24日の下に書き込みがしてあるのは、この日のシフトが23時までだからだ。

私のバイト先のコンビには、近くに女子大があるせいか結構学生のバイトが多い。

24日は休みを取る子ばかりで、用事のない私に白羽の矢がたったと言うわけだ。


用事がない?  


確かにその通りだ。  今年は何も無い。


まあ、去年のクリスマス出勤にはさすがにムカついたけど・・・

といっても別に彼氏とディナーとかそういうものじゃなく、観たかったドラマの最終回がその日で、しかもビデオデッキが故障してて録画する事もできない。

まさに休む理由として完璧なシチュエーション! 

で、その事を店長に言ったら「俺がちゃんと録画しておいてやる」

とか何とかって事で渋々承諾して出勤。

翌日、ビデオを借りたら違う番組が録画されてたってオチだった。

思い出しても腹が立ってくる・・・


気分を害した所でリフレッシュするため紅茶を入れることにした。

お気に入りのCDをかけながらオレンジペコのティーバックをそっと鼻に近づけてみる。


「いい香りぃ・・・」


10月1日の誕生日に裕子から貰ったものだが、飲むのはまだ3回目だ。

そういえばこの本も裕子が置いていったものだっけ・・・

掃除しててチェストの後ろから出てきた星占いの本を手にとってみた。

今年の2月に、イラストを練習するのに丁度いい絵があるといって持ってきてくれたものだ。

裕子とは高校時代からの親友で、二人とも絵を描くのが好きだったこともあり、一昨年までは時々二人でコミケに参加したりしていた。

パラパラとめくっているとドッグイヤーがついてるページがあった。

ふたご座のことが書いてある。6月16日生まれの裕子の星座だ。

読んでみると結構当たってるような気がした。 

彼氏とラブラブ的なことが書いてある。

短大時代から付き合ってる勇希とは卒業後もうまくいっていて、そろそろ結婚か?

そんな感じである・・・

この本を持ってきたときの会話を思い出した。


「へー、裕子こういう本読むんだぁ」

「結構当たるんだよねー。 ラッキーカラーとか必ず身につけてるしね。ほら、このピアス。私のラッキカラーなんだ」

「それでいつも ルビーのピアスしてるんだぁ」

「うん。せっちゃんもやってみたら?」

「あっ・・・うん・・・私はいいや。そういうのあんまり信じない方だから・・・」


あの時はああ言ったけど、ホントはすごく星占いにハマッてた時期があった。

中学の頃だ。

だけど、全然当たらなかったからあえて見ないようにしていたのかもしれない。


初恋の事を思い出して少し胸が苦しくなった。


気を取り直して、オレンジペコを飲みながらてんびん座のページをめくってみた。

今年のラッキカラーはパープル・・・


パープルって紫?


「そんな物身近に無いじゃん!」と一人突っ込みを入れてみた。

そして占いには、そのアイテムを身につけたあなたは、クリスマスに彼から素敵なプレゼントをもらうでしょう・・・そう締めてあった。

「彼氏居ないしー・・・クリスマスは仕事だしー」 また突っ込んでみる。


イラストのページは切り取ってあるから資源ゴミだなこりゃ・・・・

古いファッション雑誌と一緒に荷造り用の紐で縛って部屋の隅に片付けた。


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