前世の生活その2
「あの者と随分親しいな。そなたの好みか?」
「はぁ?!違うわよ!彼にはちゃんと奥さんが居ますから。報酬の取り分について話してただけよ!ていうか、なんで貴方がここに居るのよ?」
ここは冒険者が集まる酒場だ。さっきまでパーティメンバーのリーダーがいたんだけど彼の威圧にやられたのか知らないが厄介事は御免とばかりに行ってしまった。
1国の王子様がこんな酒場に来てるなんて目立つわよね?なんで普通にみんなしているの?
私がキョロキョロしていると
「心配しなくても認識阻害魔法を掛けて有る。それよりも良く私だと分かったものだな?」
「え…そうなの?普通に会った時の貴方にしか見えないけど???」
「それは困ったものだな。皇太子としてではなく口説こうと思ったんだが…厄介だな…やはり加護持ちか」
「……何の事かしら?私は断ったわよね?しつこい男は嫌いよ!」
「今までこんなに欲しいと思った事はない。諦めるなんて選択肢にはないな」
「良くそんな恥ずかしい事を真顔で言うわよね。そりゃあ、貴方は見た目はいいとは思うわ。けどね、私は面倒臭い事は嫌いなの。」
「こんな酒場に来てわざわざ口説かなくても王族特権を使えばいいんだがな?聖女でも祭り立てて逃げ場をなくす手も有る」
「なっ!……そんな事したらスタンピードを起こして街ごと無くしてやるわよ」
「冗談だ。真に受けるな。末恐ろしいな、益々気にいった」
「私は普通の生活がいいの。皇太子妃なんて絶対嫌よ。貴方がただの冒険者なら考えたけどね」
「なるほど…冒険者ね。面白そうだな」
「貴方が皇太子をやめるなんて無理でしょうね。来世で会いましょう」
私はにっこり微笑んだ。けど、まさか本当に放棄するなんて思いもしなかった




