ルークの無双とカモミールの秘密
「はぁーはぁ、はぁ、なんでそんなに強いんだよ!僕だって加護持ちだし勇者なんだよ!」
ダグラスは座り込んでグッタリしている
「いくら戦神の加護持ちでも力を封じられてたら…全属性魔法を使える俺に勝てる訳がない」
「僕の力が封じられてるだって?!そんなはずない!ステータスだって問題ないんだ」
「時空魔法でアロマを探すのに16年もかかるなんて俺だったらあり得ない。まぁ、俺なら転移するけどな」
「戦神の加護は使えてる!封じられてるなんて嘘だよ!」
「嘘じゃない。ステータスを見たが戦神の力が半減しているぞ?それこそお前もアロマと一緒で封じられたって不思議じゃないだろう」
「それは…そうだけど…結界だって張れるし魔族には負けた事なんかない。これでも魔王やってるんだから!」
「魔族には勇者の称号で勝てるだろうが普通の人間には意味がない力だ」
「普通?君のどこが普通なんだよ!化け物級じゃないか!?聖魔法で側近を消すなんてさ!」
「話し合いの邪魔をしたからだ。自衛だ。言っただろう?俺は最強だって」
「力が不安定なんでしょう?半減してそれなの?!アロマが言ってた通りだ!俺より魔王だ!」
「よく言われたな…さぁ、話し合いに応じるか?さっきのビジョンは俺の魔法の応用か?良く出来てるが認識阻害魔法を使ってなかったから場所の特定しやすかったぞ」
「君って結界張ってるのに居場所まで特定出来るの?!本当に信じられない…クソっ!」
「お前…カモミール帝国の王族だろう?同じ魔力を感じるぞ?俺はライラック王国の王族だったから聖神の加護がかさ増しされるんだが…お前もそうじゃないのか?」
「僕がカモミール帝国の王族だって?!そんな両親を殺されて魔族領に放置されたんだよ!そんな訳ない…分からない…僕、覚えてないんだ…」
「カモミールの王女ど結婚した息子が居たんだがお前、孫と魔力が一緒だぞ?今、王様になってる息子と比べたらはっきり分かると思うが」
「僕が王族…。だから僕が邪魔になったって言うの?じゃあ、両親は?」
「育ての親ってやつじゃないか?クロスの嫁の王女も金色の髪だったしな。オッドアイって事は俺の末娘と一緒で魔力が増してるのにお前からはそんな強い魔力を感じないからな…」
「国が荒れたのは王族が居なくなったから?アロマが言ってたんだ。王族がいればそこまで荒れないって…」
「カモミール帝国とライラックは血縁関係でもあったし同盟国だったんだかな。今の状況が分からないからライラックの王宮にでも行くか?お前の話しも嘘かどうか分かるしな」
するとルークはダグラスに手を出し起き上がらせる
「少しでも不穏な動きをしたらどうなるか分かってるよな?ダグラス」
「分かってるよ…僕もカモミール帝国の事気になるしさ…大人しくしとくよ!って僕よりも若い癖に偉そうなんだけど!」
「当たり前だ!俺はこれでも120才は超えてるんだからな」
「120才…ジジイじゃん…って痛っ!本当の事でしょう?叩く事ないよね!?」
「お前に言われると腹が立つ。アロマを嫁にするとか言ってたしな!」
「って事はアロマも…?」
「アロマは転生してるから加護持ちだが16才だな。言っておくがアロマは俺の妻だからな!」
「分かったよ…」
「転移魔法で一瞬だ。相手は王族だって事を忘れるなよ?」
ルークとダグラスがライラック王宮に転移した
「えっ?結界張ってたのに転移魔法ってどういう事だ!何者だ!」
「あー、俺だ。姿は若くなったがルークおじいちゃんだ」
「ふっ、おじいちゃんだってさー」
「お前、黙ってろ」
「ルークおじい様ですか?!アロマおばあ様と一緒に転生した?16年前に?」
「あぁ…それよりナナシーはまだ生きているか?出来ればクロスの子供達に全員に会いたいんだが?」
「あ!その後ろの人ってカシミール帝国の叔母上の孫の行方不明になったダグラスじゃないですか?金色の髪にオッドアイで加護持ちだって生まれた時にみんなで見に行ったんですよ!」
「なんか拍子抜けするぐらいあっさり特定されたな、ダグラス…言っただろう?」
「僕が王族…行方不明…」
「今はカシミール帝国とは連絡取れるのか?」
「いえ…それが16年前からいくら探っても王族との連絡が取れなくて…今は冷戦状態ですね」
「ほら、言ったでしょう?カシミール帝国が世界征服をしてるって!」
「そうみたいだな…って事は直接帝国に潜入するしかないか…」
「おじい様!本当ですか?!正直、私達でも手が出せなかったんですよ」
「王様、その方は味方ですか?」側近が言う
「確かに先代のクロス様ともそっくりですが…」
「おじい様はそれはお強い加護持ちの方だ。失礼はないようにな!」
「ところでお前はクロスの何番目の息子だ?」
「おじい様、忘れたんですか?まぁ、孫が沢山居ましたからね…3番目のサイラスですよ。一応、全属性魔法を使えるんで…王にされました」
「ルーク、おじいちゃんだから覚えてないんだねー仕方ないよねー」と、ダグラスが笑う
「お前、後で覚えとけよ!」
王宮の扉から何人か王座の間に集まる
「とーさま!!!とーさまなのですか?」
「んっ?ナナシーか?あぁ、オッドアイだから間違えないな。久しぶりだな。愛しい娘よ」
「酷いわ!とーさま!かーさまの後を追っかけてどっか行ってしまって…」
「すまなかったな…かーさまは今はこの世界には居ないが転生して元気だぞ」
「おじい様!なんか若くなってませんか?不老だったのに若返るなんて何でも有りですね」
孫が次々と言うが正直、分からなくなったな…
俺も年をとったって事か?!
「あ、ダグラスじゃないの!?行方不明になった。将来、カモミール帝国を支える王族として加護持ちの子供が生まれたって見に行った赤ちゃんよね?大きくなったわねー。いくつ?」
「26才です。僕が本当に王族ですか?間違えないんですか?」
「覚えてないらしいんだ。帝国に魔族領に投げ捨てられたらしい」
「そんな馬鹿な…あんなに可愛がってたのに…リリアンがそんな事するはずないわ!」
「僕の両親はそんな名前じゃなかったです。それに僕が住んでたのは帝国の隅の田舎街です」
「おじい様、カシミール王族になんかあったのは明白です。ライラック王国は動けませんがルークおじい様ならみんな分からないから探って下さいませんか?」
「あぁ…そうだな。お前達は何もするなよ?下手すると戦争だからな!勿論、強さはこっちの方が有利だが内密に事を進めたい」
「とーさま!私も手伝うわ!」
「ダメだ!お前にも可愛い子供達と孫が居るだろう?俺とダグラスが認識阻害魔法で帝国に行くから心配するな」
「僕も行くの?!言ったでしょう?僕を殺そうと対策してるって!嫌だよ!」
「お前が行かないと戦神の加護は戻らないぞ。カモミール帝国に戦神の神を祀るような物があったか?」
「はい。王宮に戦神の像が有りました!戦神の神を祀る教会に」
「でも…全く感じないんです。おじい様…叔母上の魔力も…リリアン達のも…」
「隔離されているんだろうな。王族殺しは大罪だ。国を乗っ取るにはまず、加護持ちの子供は邪魔な存在だ。ダグラスを匿ってたのを見つけて殺そうとしたが出来なかったから魔族領に置いたんだろうと思うんだがな?どうだ?」
「そんな感じぽいですね…相変わらず冴えてますね。おじい様は…」
「まぁ、適当だかな?俺にも分からない事ぐらいはあるぞ」
「適当で帝国になんか行きたくないよ!僕!」
「封印されてる力を取り戻すのとアロマの力も一緒に取り戻すだけだ。お前が言ったんだろう?」
「そうだけど…僕、死にたくないんだ…」
「心配するな。そんな馬鹿な真似はしないさ。とりあえずお前の力の源とアロマのコアを見つけて魔導具を破壊するばいいんだろう?楽勝だろう?」
「君って無謀だって言われた事ないの?!」
「ないな。俺は最強だからな」
「とーさまは単独で倒しちゃう程の有名なドラゴンスレイヤーなのよ!伝説の人よ!ギルドで名前を知らない人は居ないわよ」
「ナナシー、お前は相変わらず可愛いな」
「なんか…すっごい人を利用しようとしてたって反省してる。そうだよね…魔王の父さんを殺しちゃった人だったね…」
「奥の手も用意している。何とかなるさ。じゃあ、とりあえず聖セシリア王国に行ってみるか、試したい事があるんだ」
「早速、行くの?作戦とか立てなくてもいいの?僕、自信無くしちゃったし…不安しかないよ」
「安心しろ。お前も充分強いぞ。認識阻害魔法は使えるな?」
「うん。だけど僕はルークと違って全属性魔法使えないし…」
「あの、身体から出す剣は見事なものだ。俺でも面倒だぞ?加護が戻ったら国を守るいい王になるぞ。お前は」
「僕が王?もしかしてカモミールの?」
「当たり前だ。他に誰が居る。決着付けてさっさと終わらせるぞ」
「おじい様、気をつけて下さい。先に魔導具を破壊しないと大陸がめちゃくちゃですよ!」
「分かってる。それも探るが直ぐにとはいかないな。先ずは女神の力を復活させないとな」
「かーさまが居ないのにどうやって?」
「奥の手があると言ったろ?試したから効果は保証する。浄化と癒やしは抜群だ」
「アロマが居ないのに出来るの?ルーク?」
「あぁ、ちょっといい物を持ってきてな」
「だから、アロマを帰したの?危ないから?」
「そうだ。戦争兵器にはさせないと誓ったんだ、昔にな…」




