カラオケに行きたい!
「シリウスくん、ちょっとご相談があるんですけど…よろしいですかね?」
「何?急に改まって…嫌な予感しかしない」
「いや、大した事ではございませんよ。私ね、私…カラオケに行きたいの!」
「はぁ~ぁ、カラオケ?」
「そう、カラオケよ!魔法が使えない時は週2日で行ってたのよ。1人カラオケ含めて」
「俺がカラオケするようなタイプに見える?」
「いえ、知ってるけども思いきり歌いたいんですよ。けど…今はどうなるか分からなくて友達とも行けないんですよ」
「そうだね。行かない方がいいよね」
「だけど、だけどね…カラオケはストレス解消で身体の一部みたいなものなの!シリウスが行ってくれたら無意識に力使うとかツッコんで貰ってさ…それにシリウスが歌ってるのも聴いてみたいなぁーって。シリウスの声がスピーカーから流れたらもう最高だと思うの!絶対にときめくわ!惚れ直すわ!」
「そんな事言われても嬉しくないけど…、」
「お願いします!私とカラオケに行って下さいませんか?!私、あれからずっと携帯で音楽聴いてないしテレビの音も気をつけてるし何なら街中のBGMとかも最善の注意を払ってるわ!もう、ストレス溜まりまくってる!シリウスと一緒の時はともかく気が抜けないのー死にそう」
「死にそうって…あっちの世界ではそんなに歌ってなかったよね?」
「こっちの世界、いや日本には採点カラオケが存在してるし。何ならバーに合わせて歌うなんてあるのよ!楽しいじゃない?!あっちでは下手ではなかったけども全部パクって歌詞適当に歌ってた自分が恥ずかしいぐらいよ!レベチなの。上手くなりたいのよ!」
「そこまで酷くなかったけど…綺麗な歌声だったけど…上手くなりたいって歌手になりたいとか?」
「それはないわ!歌手なんて人前で歌うとか無理!世界に拡散されるのよ!オーチューブとかで。いくら私でもそれは無理だなって思うわ」
「歌魔法を使える君が恥ずかしいとか言っちゃうんだ…。自分の事、全否定してない?」
「するわ!こっちの世界は凄いのよ!カラオケに関しては好きな曲を何曲も練習して歌えるのよ!最高じゃない?自分で全部再生しなくてもいいんだから!」
「そこまでカラオケに夢中になってるんだ…前世の君の歌は好きだったけど?つまり自分で歌わなくても再生される機械さえ有れば歌魔法もそっちメインで使いたいとか思ってるとか?」
「えぇ、それはいいと思うのよ!好きなアーティストの曲を流してノリながら風魔法と歌魔法を発動されればみんなハッピーになるわ!スピーカーとか有ればもっと威力は増すんじゃないかって思う。あ、帰るとは言ってないけど…」
「……威力が増すとか思っててカラオケ行こうと思う訳だ」
「だから、シリウスに制御して貰いながらストレス解消させて欲しいの!お願い!そして歌ってくれたら何でも言う事聞いてもいいわ!」
「俺が歌なんて歌った事あったっけ?なかったと思うけど…ね」
「まさか…カラオケ行った事ないの?!そんないい声してせっかくこっちの世界にきて一度も?」
「ないね」
「この曲いいなーとか全くないとか?ずっと研究者として生きてきた訳?」
「特に興味がなかったから。魔法使えたからそっちの実験とかしてたかな」
「仮にも私の夫でしょう?音楽聴くと懐かしいとか思わなかったのかな?ルークは」
「記憶がなかったんだから思わなかったな」
「うわー、自分は私に樹くんとの友情をとやかく言ってたけど愛してるとか言っておいて私の事に感心なかったんじゃないですか?」
「記憶なかったけど女性とは付き合った事はない。嫉妬したのもお前だけだよ」
「そ、それは記憶があってからでしょう?もう私の事をとやかく言うのは禁止します!」
「それとこれは別だから。カラオケ行きたいんじゃなかったの?いいの?そんな事言ってて」
「だって行ってくれないんでしょう。どうせ…」
「……行かないとは言ってないけど…」
「え…行ってくれるの!?本当に?ありがとう!ルーク、大好き!愛してる!」
「いつもこのパターンで振り回されたの俺の方なのにな」
「うわー何、歌って貰おうかなー。ドキドキするぅ。ルークの歌なんて希少よ!楽しみ過ぎぃー」
「って…聞いてないし」
「何、ブツブツ言ってるのよ?早く行こう!」
「歌うとか言ってないから」
「歌ってくれないと絶対にあっちに帰らないから。こんなチャンスないもの。帰ったら」
分かってるんだ…ルークって昔からなんだかんだ言いながらお願い事きいてくれた事…苦労掛けたのは私なんだって自覚したわ




