第5話 瑠璃玉
魔法使い…?
そや…知らんのか?
ふーん、じゃあ空飛べるの?
飛べるよ?
じゃあ見せてよ
△△と出会ったのは
うちがニカの魔法使いとして1人前になった頃の話や
ある村での調査があって
しばらく滞在してたとき
△△は気さくに話しかけてきてくれた
わぁ!ほんとね!すごいわ!!
白い翼で空を飛ぶ冴夢
その姿を見て△△は喜んだ
運命なんかこれっぽっちも信じてなかった
だけど△△に惹かれた
理由なんか知らん、わからん…
なんでとか…考えたこともない
ある時△△はうちに言うた
ねぇ…冴夢くん
人間って生きてる音がするのよ?
音…?
そう!来て?
そう言って両手を広げる△△
意味がわからず
なに?って聞いたら
いきなり抱きしめられた
は!?///ちょお!!!
いいから!静かにして!
ドキドキと胸の音が鳴る
△△の胸に耳があたる状態で
抱きしめられている
緊張と恥じらいで冴夢は顔が真っ赤になっていた
…トクントクンッ
静かに耳をすますと
△△の心臓の音が聞こえてきた
安心する響き
小さいけれど規則正しく脈打ってるのがわかった
ね?聞こえるでしょ?
うん…///
冴夢は安心したように目を閉じた
△△の心臓の音、優しい音
それに…△△の匂い
甘くていい匂いがする
それから2人が恋に落ちるまで
そんなに時間はかからなかった
冴夢は△△を必要としていたし
魔法使いと人間という垣根を越えて
本気で愛していた
しかし…現実はそう上手くいかない
冴夢、お前はニカの魔法使いなんだぞ!?
人間との恋など許されるものか!!
冴夢の父親は厳格なニカの一族の魔法使いだった
冴夢の恋に口を出し、そのことを一切許さなかった
そして…
冴夢の目の前で△△は事故に遭い亡くなった
その事実は偶然だったのか?運命だったのか?
果たして冴夢の父親の仕業だったのか…
調べようもないまま時間が過ぎてゆく
たった1人冴夢を残して
やがて冴夢は△△の一族の秘密を知ることになる
亡くなった後に体内からガラス玉が出現すること
そのガラス玉が瑠璃玉と言ってマニアからとても
希少価値が高く高値で取引されること
冴夢は△△を愛していた
故に亡くなったあとも一族を守りたい
そう考えていたのだ
それが悪魔と契約することになったとしても
冴夢は自分のニカの力全てを悪魔に手渡した
そして瑠璃玉をコレクションすることで
△△の一族を守る手段として
自分を犠牲にする道を選んだ
△△…△△…△△…
なんで…うちを置いていったんや
お願いやから…ひとりにせんでや…
〇〇は泣き崩れる冴夢を見て
冴夢の元へ駆け出していた
〇〇は泣き崩れる冴夢をそっと抱きしめた
お姉ちゃんは冴夢さんのこと
愛してたと思います!!
冴夢の瑠璃玉が光り輝く
△△の命と引き換えに生まれてきた妹の〇〇
冴夢が守ってきたものは無駄じゃなかった




