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意味深な老人

「どういうことですか、何ですかこれは、私にどうしろと」

その時後ろのドアが、乱暴に開かれ

真っ赤な肌を、晒した

血に濡れた女がそこに立っていた

すぐに逃げ出そうという私を、女は銃声で黙らせた

「お前、こんなところで、銃をぶっ放すな」

テーブルの上のコップにカランと銃弾が入る

「仕方ないじゃん、おじいちゃんさぁ、こいつが逃げようとするから」

私はそんなどんな脅し文句があると、足を止める

「まあ、そんなことだから、今夜の十二時

渋谷駅まで、送ってほしいんじゃ」

私は、深いしわが刻まれた

この老人に対して、何の言葉も、かける事も出来ずにいた

ここで何か言えば、先ほどの、薬入りコーヒーのように

麻酔入りスプリンクラーでも、あの孫のことだ、祖父ならやってもおかしくはないだろう

事を、私は考えていた

「駄目か」

私は、いまだに、指のない女の方を見る

こんな状態で、病院にもいかず

一体何をすればいいというのであろうか

こいつに後ろでも見せようものなら

マシンガンで撃たれかねない

「ああ、ネリネ見せてあげなさい、彼女が心配しているじゃないか」

老人の声に、彼女は、腕の付け根を、片方の手で、掴むと、ボトリと

下に、何かが落ちた

それは、まぎれもなく、腕であり、義足のようであるが、腕の場合もその呼び名であっているかは知らないが、血が流れている意味が分からない

「あんた、本物志向よ、相手が油断するでしょ」

だからと言って義足に血糊を紛れ込ませる意味が私には今一つ良く分からなかった

「あんただって、これが義足だと気が付かなかったじゃない」

だからと言って、私は何か変化したかと言われれば、それは良く分からないのである


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