バン
この車の製造年月日は、およそ百年前であり、それをつぎ足し継ぎ足し部品を総入れ替えしないでも、この機械の部品をとどめて走らせたところで、利点は何もない、そこに利点があると言えなくもない
私はその理由なき理由のようなことを聞きながら、車の名が出、つかの間の飲み物を飲んでいた
何時の間にか、また眠るようなことはなく
私は、どうしようもなく青ざめた心臓の中で
この妙に居心地のいい椅子を背に、ホットカボスを、口に入れていた
「ねえ、あんた何歳なんよ」
私は、その言葉に首をひねる、それにどんな意味があるのかは分かりかねたが
しかし、言ったところで、言わなかったところで、大した差は存在しないのではないだろうか
「17」
相手は無言で私の肌を観察した
老けて見えるとでもいうのだろうか
「本当」
それがどういう意味かは、私にはわかりかねる
しかし実際問題、彼女の答えは間違ってなどいない
私自身が本当は何歳かわかっていない
母親が、戸籍標本も取っておらず
勝手に死んで、それ以来学校に等行かず、
家が取り壊されてそのままだ
「ねえ、本当は、何歳なんだよ」
私は、ペットボトルの口を離してため息をつく
分からないことは、答えようもないが
「お前こそ何歳だよ」
と、相手に聞くと
「レディーに年齢など聞くもんじゃないですよ」
と、良く分からないことを言う
私はどうやら、レディーではないらしい
カボスのペットボトルの蓋をして、私は一人エンジンのキーを回した
「まずいなこりゃ」
それは彼女の口からであり、あれほどまずい性格の女が、更にまずいことと口に出す事とは、一体何であろうか
私は、ぼんやりと、前方を見た後、バックミラーを見て、口が開きそうになる
何やら、騒がしい集団が、背後から迫っていた
それは、色とりどりのバイクが、群れを成して、走っているのだ
私はぼんやりと
それらが、通り過ぎるのを祈ったが
取り巻くように、左折した
その一団は、ごみごみと、車を取り囲み
私は、どうするのかとそう彼女に聞こうとしたとき
横で何かかちりと音がした
何事かとみると
ハンドブレーキが戻され
彼女の足が、私の足を、思いっきり踏んずけた
それはくしくも
ブレーキではなく
アクセルだったのが大問題であった




