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源氏二次物語  作者: めぶきち
1/1

エピソード 桐壺の血

光源氏×桐壺帝のBL

葵巻〜賢木巻あたりの時間軸

桐壺院視点のワンシーン

源氏物語にない幻覚しかない

それでも楽しんでいただける方はご覧ください。


葵上が亡くなり、桐壺院の病がまだそれほど重くなられていない頃。これは光源氏と桐壺院、2人だけが知っている最後の話。

元に戻ることはできない。愛しい過去に戻ることなど…


彼が口火を切った。



「貴方に後見になれと言われるなんて…」



少しの沈黙の後、彼の声が響く



「皇子は私ではない。」



「…っ」

思わず目を見開く。

彼がはっきりとものを言ったのは、一体いつぶりだっただろうか。





そして、私は彼の姿を捉えた




ここには私と彼しかいない。



「貴方様が愛してくださった。それをずっと覚えておりました。」


「貴方様が中宮様を母君によく似ているとおっしゃったから!」


「…私はあの方を追いかけたのです。」



桐壺に抱かれていた、玉のように美しい赤ん坊。


桐壺の形見。




私は…

私は彼を見ていたか…?


後ろ盾がない中で懸命に生きていた彼を。




あの頃よりも近づいた視線が交わる。




「やっとこちらを見ましたね。」




彼の表情が痛く突き刺さった

心臓の鼓動も呼吸も忘れた

幼い頃からの彼の記憶が頭を巡る。

ただ彼を願っていた

それだけは…本当だった。

けれど…

それでも彼を美しいと感じるこの心は…まだ彼女のものだろうか…


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