すずVS男の子
すず:『すずはイカれた大富豪』に登場。
世界一の美貌を持ち、この世の全てを手にしていると言っても過言ではない。でもイカれている。
男の子:『【おねがいします】お墓を黒く塗るだけの、とっても簡単なお仕事です【もうやめてください】』に登場。
無縁仏の怪異。
片や大金持ちの美女、片や無念の中で死んでいった無縁仏の少年。この2人が分かり合うことはないだろう。
「ぼく大丈夫? お墓赤いけど⋯⋯」
「お姉ちゃんこそ、両こめかみキツツキにつつかれて痛くない?」
互いを心配する2人。
「そんなことがあったんだね。そりゃ呪いたくもなるよ」
「お姉ちゃんこそ⋯⋯美人っていうのも大変なんだね」
自分の過去を語る2人。
「殺してやるケドね!」
戦いは突然始まった。イカれているのだ、この女は。
「ぼくを佃煮にするつもり?」
「ソダヨ!」
「じゃあ仕方ないね⋯⋯恨まないでよ、お姉ちゃん」
どこからともなく聞こえてくる長いクラクション。
「ナニコレ珍百景!」
耳を押さえて距離を取るすず。
「今からあなたに呪いをかける」
「その前に殺してやるケドね!」
飛びかかるすず。少年は微動だにしない。
「佃煮になあれ!」
少年を鍋にぶち込み、醤油と砂糖で味付けしている。
「おいしくなあれ! おいしくなあれ!」
ケチャップで鍋底に何度もハートマークを書くすず。
完全に炒まったところで、食器の割れる音がした。
「なんだにゃ!?」
振り向くも、誰もいない。
「ナンダ猫か⋯⋯いっただきま〜⋯⋯あぁれ?」
手を合わせたまま倒れるすず。両こめかみから大量の血が出ている。
「やれやれ⋯⋯」
甘辛い匂いを放ちながら少年が鍋から這い出てきた。
「手強かっ⋯⋯」バタッ
はい引き分け! 解散!
【紅】0
【白】0