ポールウインナー
ポールウインナー
『シロとくじら』という漫画がある。
ほのぼの、まったり。安心して読める。
その漫画の中に、細長くて焼かなくても食べられるウインナーが出てきたのだ。
衝撃的だった。
こんなタイプのウインナーがこの世に存在するなら、ぜひ食べてみたいと思った。
めちゃくちゃ調べた。
どうやら、『ポールウインナー』という商品らしいということが分かった。
でも、近隣のスーパーには売ってなかった。
だから、ネットで注文した。
数日後、ポールウインナーが100本来た。
(ひゃ、100本…???)
と自分でも頭にハテナがわいたが…
単純に注文数等を激しく間違っていたのだ、私が。10本だと思ってた。
100本のポールウインナーは、玄関から冷蔵庫まで私だけでは運べないほど重かった。
うちは夫とふたりで暮らしている。
100本のポールウインナーで野菜庫が埋め尽くされたのを見た時は、絶望した。
(これ、期限内に食べ切れるか…!? )
という絶望であった。
結論から言うと食べ切った。
冷凍して、賞味期限を延ばすというズルをして食べ切った。
夫は1本しか食べなかった。
「味が好みじゃない。」
と贅沢かましていた。
現在、私の体は、大量摂取したポールウインナーで出来ている。
この『ポールウインナー期間』、私の食生活は、うちのば〜ば88歳を震撼させた。
ほぼ毎日生存確認で電話しているのだが、電話の内容がウインナーばかりだったからだ。
1日目
ば「今日は何のご馳走にするだね〜? 」
私「ウインナー。」
ば「ウインナー!? ウインナーどうするだね!?」
私「かじる。」
ば「バッ…!」
↑バカと言いたい。
2日目
ば「今日は何食べるだね〜?」
私「ウインナー。」
ば「またかね!? 」
私「うん。いっぱいある。」
ば「あんたウインナーと何食べるだね!?」
私「ウインナー。」
ば「だっ!こっ!バッ…!! 」
↑ば〜ば88歳は趣味が料理で偏食を許さない。
3日目
ば「あんた…」
私「うん、ウインナー。」
ば「あんた、毎日ウインナーじゃ死んじまうよォ!!! (絶叫)」
私「(耳キーン。)」
ば〜ば88歳。
彼女は他人の死の判断が早い。
ポールウインナーのせいで心的ストレスと今後の私に不安を抱えたば〜ば。
私が一発で電話を取れないと「死んじゃったかと思ったよ。」と言うようになった。
機会があれば、また食べたい。
今度はば〜ば88歳を心配させないように食べたい。