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涼子は天寿を全うできない。

私はあの羽生村に続くバリケードを見て、すっかりあの村の虜になってしまった。

東京にはない、あのおどろおどろしい雰囲気。だって三井と萩島と羽生の生まれた地だ。そして洞島家を・・・・。


自分のルーツだから、知りたいという気持ちもあったがどちらかというと、秘密を暴きたい気持ちが強かった。



『行馬くんのツテのおじちゃんに頼めばいいのかなあ。』


行馬くんは、なぜか私が探偵を使って、調べるのを拒んだ。だから自分で探す。

私は自分の体が弱りきっているにも関わらず、荻羽生村について調べまくった。病院なんてやる事がないのだから自分の好奇心に忠実になった。もうすぐ復讐も終わるから、少し暇なのだ。


ただネットにある情報なんて大した事がないのだ。



『やっぱり行かなきゃダメかなあ。』


太一くんなら村に入るくらいのお願いは聞いてくれそうだけど、バカだから正直に私の素性を明かしそうだ。彼は三井玲奈と萩島怜による、いじめの復讐で利用してるだけだから。




八方塞がりである。



ネットでの検索に飽きた。

ショッピングサイトをサーフィンする。

たまたまトップページにドローンが出てきた。

カメラ付きドローンだ。誰がこんなもの買うのだろうか。



・・・・。そうか。ドローンか!

私の体が入れないならドローンを使おう!



早速ドローンを購入した。





♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

私はまた、自分の体に鞭を打ち荻羽生村の入り口に来ていた。病院を抜け出した形だ。


茂みに隠れて、ドローンを飛ばす。


興奮が冷めなかった。ドローンなら、簡単に入れた。録画モードにする。操作は丹念に練習したから問題ない。羽生村らしき集落が見える。とは言っても荒屋が数軒。人気はない。


荒屋は戸が開け放たれており、そこからドローンを入れる。外見は粗末なトタンだが、中は畳が4畳ほど敷かれそこには畳まれた布団があった。

炊事場用の簡易的なシンクと、調理用かカセットコンロがあった。住めなくはないが、あまりにも粗末な作りだ。畳以外はただの土を固めただけの作りだ。



『いったい誰がこんなところに。』


粗末な作りだが、生活感がある。


荒屋の端に机がある。机の上に書類があった。

ドローンを丁寧に傾けて書類を写してみる。




      労働契約書

      業務委託契約書

      情報保持契約書

      家系図

      養子縁組証書




しっかり録画する。

『あれ、これって・・・・。』


・・・・。

そっかあ。そういうことかあ。大変だったんだね。別の荒屋に入る。


『ああやっぱりね。』


そっかー。この羽生村という集落の役目はそういうことなのかあ。

ちょっと衝撃的すぎるけど、面白いからいいや。


ドローンを戻して私は羽生村を後にした。




♦︎♦︎♦︎♦︎

病室に戻る。余命は後どのくらいだったかしら。たぶん次の桜の季節は迎えられるだろうとお医者さんは言っていた。復讐を完結した。あとはお母さんとおじちゃん(・・・・・)に託そう。



このドローンで撮った動画どうしようかな。なんだか、結局あのおじちゃんの企みはよくわからない。桜の季節までにそのあたりも解明できるといいなあ。



時刻は21時。消灯が早い病院は退屈だ。だけど、今日は朝まで起きていられそうだ。残り少ない時間でもやりたいことがある事はとても幸せな事だと思う。



『うーん・・・?』


急な眠気が襲う。なんだろう。視界が白んでくる。病室の戸が開く。顔が見えない。ガスマスクをしている人が入ってくる。全身黒ずくめだ。


私は体が動かない。眠気だけでなく痺れもある。ガスマスクの人は、天井に輪っかになったヒモをつるす。私はおぶられて、首に輪っかをかけられた。この高さから体離されたら・・・ベッドに足が届かなーーーー






一気におぶられていた感覚が抜ける。



脊髄が割れるような音とともに視界が赤く染まった。

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