涼子の計画、太一の欲望
回想。太一、高校時代。
保健室登校になった涼子とはよく会っていた。
みるからに涼子は痩せていった。食事はとっても吐いてしまうということだそうだ。
原因はあの2人。荻島と三井のいじめによるものだ。
『太一くん、私をいじめたあの2人に復讐したいの。』
『どうやって?』
ベッドから涼子はそんな話を切り出してきた。
『簡単よ。三井があなたに迫ってくるはず。だから、萩島に恋のキューピッドになってもらう。あとは萩島に三井といちゃついている場面を見せればいい。三井にも萩島といちゃついている場面を見せればいい。』
1冊のノートが渡された。
『高校時代中に片がつくがわからないから。全部想定パターン含めて作ったの。』
パラパラと捲る。
緻密な復讐計画。しかしながら、因果関係が抜けているところが多々ある。
なぜ俺と三井が三角関係になることで、萩島が自殺もしくは退学になるのだ?
『他にも役者がいるからね。台本の登場人物ごとにシナリオはあるのよ。太一くんがやることはシンプル。2人の女と寝る。これだけ。』
涼子ともまだ済ませてないのに、なんでこんな憎い相手と。
『私、この台本通りになったらあなたの犬になってもいいわ。うん、この台本通りになるなら、服従したいわ。組み敷いてめちゃくちゃにして欲しい。』
これが俺の征服欲に火をつけた。
ただ台本通りにすれば、俺が服従させたい女が服従する。そうめちゃくちゃに出来る。それに、俺より先にバケツの水をぶっかけたり、下剤を飲ませて閉じ込めた2人が憎い。だってそれは、俺が本来は涼子を屈服させる為にやる事だったから。いじめを受けた涼子の姿は、とても官能的だった。もう一度絶望に叩き落とし、そこに手を差し伸べて身も心も屈服させたい。
だから、動いた。
しかしどうだ。実際に三井も萩島も最初から、俺に抱かれたがっていた。興醒めだった。品行方正に親父のように女を屈服させるという理想郷には程遠い2人だった。
ただ涼子は結果に満足した。
三井は俺に振られて、萩島は退学した。
『ごめん、涼子。2人を抱けなかった。』
『まあ、仕方ないよね。わかってたよ。』
涼子は悪戯っぽい笑みを浮かべて俺の胸元を服の上からなぞる。
そう、俺が抱きたいのはこういう女なのだ。
露骨に性欲を押し付けてくる下卑た女など、いらない。
『ねえ、太一くん。太一くんは、私を抱いてくれれば、あの2人を抱いてくれるのかしら?』
魅力的な提案。俺のことを思い通りに出来なかったからこそ、自分の肌を晒し一時の恥辱に耐える。目的の為に泣きながら辱められる。
俺は沸った。
『そうだね。涼子がそこまでしてくれるなら考えてあげてもいいよ。』
誰もいない保健室。俺は、涼子を堪能した。
3年後。
征服欲が満たされたはずの俺は、涼子のシナリオを大学で再開させる。欲望は満たされたのだから、義理に従う必要はないのだろう。だが、涼子が亡くなったあと思うことがあった。涼子のシナリオは三井と萩島を破滅に追い込む。その時に俺が手を差し伸べれば奴らは、俺に絶対的な服従を誓う。これで征服欲は満たされたるだろう。
俺はだからこそ、今回はあっさりと三井の誘惑にのり、萩島が俺を抱かざるを得ないシチュエーションに持っていった。
『行馬くんは協力者だから。』
三井とのチャットのスクショも、動画も俺から行馬に渡した。萩島を煽って欲しいと。
さあ、これから2人は破滅の道を辿るのだ。その時俺は、2人にとって神になることができるのだ!




