二股→行動 破滅の始まり。
行馬に見せられた、スマホのスクショ。
それは、三井と太一のチャットのやりとりだった。
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『ねえ、太一くん明日はこんなの試してみたいんだけど。』
写真が添えてある。頭へと血がのぼるのがわかる。
『玲奈も好きだね。じゃあちゃんと、準備しておいてよ。』
『うん、わかった!場所はいつものとこ?』
『うーん、たまには寒いところでもいいかな。』
『へえ。まあでも、太一と抱き合ってれば暖かいか。』
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行馬は冷めた目でこちらを見ている。
『動画もあるけど?実際のやつが。』
『・・・なんでこんなの行馬が持ってるの?』
『太一とは友達だからね。こんくらい盗み撮りできるよ。でも、実際のやつは太一がくれたんだ。あいつも物好きだよなあ。』
『見せて。』
三井と太一の動画を見る。
吐き気を我慢する。胃からせりあがったものをなんとか、ひっこめようとすると胃が痙攣する。
太一はそうか、こういうのが好きなんだ。
私とじゃあ、物足りないわけだ。
じとっとした目で行馬が見てくるのがわかる。
『ねえ、萩島はどうする?』
私はどうするのか。太一は二股している。いや、もしかしたら私はまだ太一の女になっていないのかもしれない。だってそうだ。三井とこんな変態的な行為に及ぶなんて私の事をまだ女として認めていないのだ。だから、認めざるを得ない状況にするしかないんだ。
『ありがとう、行馬。目が覚めたわ。私、まだ足りなかったみたい。』
『ほう、そうかい。三井に恨みはないの?殺したくなるくらいのさ。』
『三井を殺しても私はただの前科者になるだけよ。そんなのは割に合わないわ。』
『ほう。そしたら、どうする?』
『太一に振り向いてもらうわ。』
『どうやって?萩島がいるのに、三井の体も自由に出来るんだぜ?太一はそういう欲望の持ち主だ。』
『だったら?それが出来ないようにすればいいじゃない。』
『ふーん、太一のこと、本当に好きなんだね。』
『そう大好き。太一となら心中できるくらい好き。太一の汗も、粘液も排泄物も!太一が出したゴミだって愛せるもの!それくらい太一を感じていたいの!だから、許せないわ。私の方が愛していることを証明してやるわ!』
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哀れな女だ。愛なのか執着なのかわからない。
高笑いする萩島を見て、愛や恋は人を狂わす力があるのだと感じた。
(まあ、側から見たら僕も似たようなものかもしれないけど。)
萩島は強い。ここで折れてたらあの3年前の悲劇を乗り切れてないか。面白いものだ。
『そうだっ!三井、お前の仇で今から萩島をみんなでヤッちゃわない?』
それだけだった。
まさか、クラスの男達があんなに萩島に群がるなんて思いもしなかった。まあ、萩島も割とプロポーションが良かったし、男どもの餌にされていたんだろうから。
それでも乗り切り、またこのステージに戻ってきた。すごい女だ。だから、潰しがいがある。あのセリフも全て涼子と岬さんのシナリオ通りだ。
あそこで潰れるか、今回潰れるか。
この台本はすごい。
三井の性格を知り尽くし、萩島の性格を知り尽くし太一の涼子への愛の深さを知り尽くした上で成り立つ筋書き。
萩島は、席を立った。
『どうするんだい?』
『今日は帰るわ。ありがとう行馬。私がやることは普通に学校に行き、バイトに行くだけ。一手間加えてね。』
全く岬さんも涼子も本当に素晴らしい。
計画通りなのだから。




