太一は発散したいだけ
『よう!太一!』
『ああ、行馬。授業終わりか?』
大学の学食で久々に旧友に会う。
『うーん?太一、なんか一皮剥けた気がするぞおっ?』
『いつも通りだよ、行馬。』
『そうかあ?そういやよ、久々に懐かしい顔に出会ったぞ?』
『萩島か?』
『おお、察しがいいな。お前はもう会ったのか?』
『いやたまたまバイトが一緒でさ。なんか懐かしい話してたら、ファミレスで盛り上がってしまってさ。』
『そんだけかあ??萩島、ずいぶん大人びた感じだったぞお?』
『そ、そうなんだ。まあ、3年も会ってなかったんだ。女の子は変わるよ。』
『ほうほう、萩島を女の子扱いねえ。』
『な、なんだよ?何が言いたいんだ?行馬?』
『いや、べっつにー。まあ、萩島にはさ、幸せになって欲しいなぁって。ほら、高校最後の日。俺もお前もいなかったけどよ、、、、聴いてるんだろ?萩島の退学理由。』
『いや、俺は何も聴かされて・・・・。』
俺が荻羽生村から帰ったら既に退学しており、何が起きたか誰も教えてくれなかった。
涼子も何も、語らなかった。
『そっか、、、今さらって感じだけどな。』
そう萩島は、ひどい目にあいさえすれば良かったのだ。涼子はあんなに満足してたのだから、何も問題はない。
俺はただ涼子の筋書き通りに動くだけだ。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
太一くんからチャットが飛んでくる。
『今日、バイトの帰り会わない?』
バイトか。あの女豹がいるバイト帰りに会うなんて、どうしたのかしら。
『いいよ。』
それだけ返信した。
いつものように太一くんのバイト先近くに潜んでいる。今日は子どもも少ない。
『そっか、クリスマスか。』
クリスマスの日に、太一くんとデートか。悪くないわね。
盗聴を開始する。
『先生ーさようなら!』
『はい、さようなら。』
萩島の声だ。
『萩島先生、ちょっと教室に・・・・。』
太一の声がする。教室に音声を切り替えた。
ガラガラ。戸が閉まる音がした。
『太一・・・・ダメだよ。昨日たくさん・・・・。』
『萩島、だめなんだ。お前の顔を見てると・・・・。』
全てが終わったようだ。
『太一、今日はどうしても来れないの?』
『ああ、今日はちょっとサークルで集まりがあって。』
『そっか。明後日は?』
『うん、明後日は行くよ。大学が終わったらな。』
『わかったよ。その・・・太一が喜ぶ下着つけておくから。』
『萩島!』
もう見たくもない、聞きたくもない。
ああ、どうしてやろうか。ていうかただ寝とるなんて無理だろうなあ。萩島、あんたの面の皮を暴いてやるよ。クリスマスイブは萩島。で、今日は私。太一くんはただの性欲の捌け口でしか私らをみてない。だったら寝とるなんて生ぬるい方法では、だめだろう。萩島の社会的抹殺。しかも、立ち直れないくらい。なんなら、死んでもらうくらいしないといけない。
『そう言えば・・・・。』
お父さんは昔、荻羽生村とズブズブだったんだよね。弁護士と村。何か公になったらまずいことくらいあるに違いない。
チャットを送る。
『太一くん、ごめん今日はいけない。』
『あ、萩島。今日サークルの集まり中止だわ。』
『え、じゃあ・・・。』
『うん、今日も泊まるよ。』
『やったあ!』
作戦変更だ。せいぜいそこの淫乱女と楽しむことね。そいつには死んでもらうけど。
私は父の事務所に向かうことにした。




