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一人目・回想Ⅱ

その日も雨だった。


私はすっかり濡れた状態で目を覚ました。


辺りは暗く、雨粒を弾く硬い地面に倒れていた。やけに重く感じる体はうまく動かすことができず、ただ手足を動かすためだけだというのに、懸命に意識を使わねばならなかった。


まずはじめに足が動き、膝が立ち、腰が浮く、手を地面について体を持ちあげる。


最後に頭がついてくる。私はやっとの思いでその場に立った。


山間に降る七月の温かな雨。


黒い雲。黒い煙。紅い炎。横転したバス。

倒れた友人たちは誰もピクリとも動かない。

私は一人、途方にくれた。


雨の中で。


ふと、あの人のことが脳裏に浮かぶ。あの人は、大丈夫だったのだろうか?


あの人は?


私はあまり自由の利かない身体を動かし、あの人を探した。


同じバスに乗っていたはずだ。いないはずがない。


私は探した。でも、見つからなかった。


もしかしたら、私よりも先に目が覚めてここを離れたのかもしれない。


そうかもしれない。あの人は頭がいいから。

あの人のこと追わなきゃ……。


あの人が座っていた席の近くからは見つけたキャラメルの箱を手に私は雨の中歩きだした。


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