6.クリスティーナ (レイヴン視点)
ブックマーク、評価ありがとうございます!
4話目の、愛し子が精霊にお願い「という形で力を貸すこと」⇒することで精霊
に力を借りることができる
の方が流れにあっていたので変えました。ご指摘ありがとうございます!
俺は長い時を過ごしていた。
皆一度は、不老不死になってみたい! と願ったことがあるかもしれない。
でも実際には長く生きてもいいことはあまりない。
ぶっちゃけ暇である。
そんな暇をつぶすためによく水鏡を通して人間界を眺めている。
精霊の愛し子はほとんどの場合、何かを起こしたり活躍したりするから見てて全然飽きないのだ。
そんな生活を送ってきて数百年。
突然精霊たちが騒ぎ出した。
何事かとそこらへんにいた精霊に聞いてみると、精霊の愛し子の中で契約していない精霊を認識どころか話すことができるかもしれない子が現れたというのだ。
俺はその子に興味がわいた。
一日のほとんどはその子を水鏡を通して見ていた。
どうやらその子の名前はクリスティーナというらしい。
毎日クリスティーナを見ているのが日課となってしまった。
それに、彼女との相性はかなり良かった。
こんなに相性がいいのは、マルクス王国の初代国王以来だった。
それに見ているうちに気が付いたが、彼女の魂がほかの人と違うことから、転生者だろうという予想がついた。
珍しいかといえば、珍しいがそこまでというほどでもなかった。
たまにいるくらいだった。
それに今の時代には、もう一人いる。
だがもう一人は俺との相性は最悪だったのだ。
元気に育つクリスティーナを見始めてからはや数年。
彼女はもう10歳だった。
ある日彼女は頭痛で倒れてしまい、三日間目覚めなかった。
俺は慌てた。
人間は些細なことで死んだりしてしまう。
彼女が倒れたのは前世の記憶を取り戻したからだったらしい。
(俺はどうしてこんなにも取り乱してしまったのだろう)
取り乱した理由はよくわからなかった。
彼女は前世を思い出してから精霊が認識できるようになっていて、話せもしたらしい。
精霊界はそのことで騒がしかった。
今日彼女は王宮へ向かっている最中だった。
王宮に着いた彼女は両親と別行動し、庭園まで来ていた。
俺はこれをチャンスだと思った。
彼女の近くにいた精霊に念話で人気のないところに連れて行くように頼み、彼女を俺の傍、精霊界まで転移させた。
ようやく水鏡を通してではなく実際にこの目でティナを見ることができた。
「会いたかった」
なぜか口から自然と出た。
この気持ちは何だろう。
初めて抱く感情だった。
ティナが精霊と契約したいと言ったから俺は自ら契約するかと聞いた。
これには自分でも驚いていた。
マルクス王国の初代国王以来契約したいと思う人がいなかったからだ。
その後、俺はティナと契約した。
契約した後に満面の笑みでお礼を言われた。
思わずかわいいと言ってしまった。
ティナには聞こえなかったらしく、安心した。
それを聞かれて嫌われたら悲しいどころではなかった。
人間は精霊界に長くいればいるほど体に負担がかかってしまうため、一度彼女をもとの世界へと返した。
(それにしても、あの気持ちは何だったんだろう…)
────その感情の名前を知るのはもう少し後になりそうだった




