95話.精霊の森を後にして
城塞都市ラプラスに戻るためカル達は、最後の仕事にとりかかります。
精霊の森に氷の塔が落ちてから数日が立ち、そろそろ撤収を考えていたカル。
この精霊の森の守護妖精だったフランソワと、その配下の黒いワイバーンのミランダも森を守ることになった。
精霊の森の精霊は、カルの与えた薬とライラの精霊治癒魔法により以前とは比べものにならない程の力を付けていた。それは、森の木々の成長を見れば明らかであった。
以前の精霊の森には無かった巨木が生い茂り、ときたま木々が自身の根で歩いて新しい土地に移っていく。
未だにこの森を住処としているエルフ達は、この風景に困惑している様だがこればかりは慣れてもらうしかない。
カルは、いつもの様にラピリアの苗木を森のあちこちに植えていた。さらにこの精霊の森にもラピリア・トレントの苗木も植えていく。
この精霊の森に馬車に乗って一緒に来た小さなラピリア・トレントは、この森を守るトレント達の長になるのかもしれない。そんなラピリア・トレントは、苗木達を慈しむ様にかいがいしく世話を焼いている。
妖精達も精霊の森の影響を受けたのか、森を守ろうと精力的に働いていた。ただ、氷の塔の周辺は、気温が低いせいか近づくことはなかった。
カルがラピリアの苗木を植えて歩いていると、守護妖精のフランソワがカルの首に付けている氷龍の鱗を見た瞬間、物欲が最大に達してしまった。
「ねえねえ。その首に付けているのって龍の鱗。前は付けてなかったよね。どこで手に入れたの」
ずっとカルの側を離れずに鱗の入手先を聞いている。
最初は、入手先をはぐらかしていたカルであったが、業を煮やしたフランソワがカルの体に抱きついて離れなくなってしまったため、思わず口が滑り氷の塔の上にいる氷龍から貰ったと話してしまった。
それを聞いたフランソワは、黒いワイバーンのミランダにまたがると氷の塔の頂上へと飛んで行ってしまった。
これはまずいと考えたカルだが、既に後の祭りである。まあ、最悪の場合は自身でどうにかするだろうと甘く考えてしまった事に後で後悔する羽目になる。
カルとメリルとライラは、ラピリアの苗木を植える。1本、また1本と。とても地味な作業で普通なら領主がやるような事ではない。
まして一攫千金を狙う冒険者は絶対にやらない。普通は、苗木を植えても実が成るのは5年や10年も先の話だ。実が成らない間もずっと追肥をしたり剪定をしたりと木々の面倒を見る必要がある地味な作業を続けなければならない。
少し広い場所には、極楽芋の種イモを植える。生で食べると極楽を見られるほど腹を下す最低な植物だが、茹でたり焼いたりすると最高に美味い。だが妖精達は、この芋を生で食べても何ともない。だから妖精達の食べ物として植えていくことにした。
1時間後、黒いワイバーンのミランダに乗ったフランソワが精霊の森に落ちてきた。そう本当に落ちて来たのだ。
何事かとフランソワに近づくと今度は空から氷龍さんが降りて来た。
フランソワとミランダは、ブルブルと振えながらカルの後ろに隠れ大きな声で泣き出してしまう。
「あの氷龍が私をいじめるの。お願い助けて」
氷龍は、呆れた顔をしながらカルに事の経緯を話し始めた。
「この妖精は、わしの昼寝を邪魔しおった。鱗をよこせとうるさくてな。しまいには、わしの鱗をひっぱって取ろうしたのだ」
カルもその話を聞いてあきれてしまったが、精霊の森に来る途中で出会った時もこのフランソワという妖精は、かなりわがままだと認識した。
「フランソワさん。氷龍さんの鱗が欲しければ、氷龍さんのために働くなりしなくてはダメです。”欲しいからよこせ”はいけません」
「だってーーーー。欲しいんだもん。それにカルは、何もせずに鱗を貰ったんでしょ」
カルもこれには、困り果ててしまい仕方なく氷龍さんにお願いをしてみた。
「氷龍さんには、鱗をいただいたお礼にこのお酒を差し上げます。このお酒は、僕が生産を依頼しているお酒です」
カルは、腰にぶら下げた鞄からラピリア酒(薬)の入った大きな樽を出すと氷龍さんへ差し出す。
「ほう酒か。ならば少し飲んでみるか」
氷龍は、大きな手で樽を持ち上げると樽の栓を抜いてラピリア酒をグビグビと飲み始める。
「おっ、これは美味いな。こんな酒を造っているのか」
「はい。かなり美味しいと評判で他国へも出しています。それにこのお酒には、”精霊の加護(中)”が付いていてポーションと同等以上の治癒効果があります」
「それは凄い。酒でありながら薬でもあるのか。たしかに鱗が治っていく」
氷龍は、樽の酒をあっという間に飲み干してしまう。さらに・・・。
「もうひと樽ないか」
「ありますけど。僕もあまり持って来てないんです。ラプラスに行けば酒蔵があるのですが」
「酒蔵?酒蔵とはなんだ」
「お酒を造っている場所です。知り合いのドワーフさんにお酒を造ってもらっています。この樽で100樽ほど貯蔵してます」
「なんと100樽もか。100樽もあれば当分は飲めるではないか」
「いえいえ。既に売り先が決まっているので差し上げることはできません」
氷龍の顔をまじまじと見た事はないが、それでも氷龍の顔がしかめっ面になるというのをカルは始めて見た。
「それはあんまりではないか。こんな美味い物を飲ませておいて・・・」
カルが、腰にぶら下げた鞄から樽を取り出す。すると氷龍は、カルに自らの鱗を1枚差し出した。それもカルが首からぶら下げている鱗よりも大きな鱗である。
「まずは、その樽の対価だ。これなら問題あるまい」
「えっ、まあそうですが。でも、そんな事を続けていたら氷龍さんの体から鱗が無くなってしまいますよ」
「それは困る。だが酒は欲しい。そうだ、その酒を飲めば鱗は元に戻る。それをお前にやるというのはどうだ」
カルもそれは妙案だと思った。だが、氷龍の鱗を大量に市場に出したらどうなるか・・・、それはあまりよい考えではないと思えた。
「ならばこうしましょう。この精霊の森を守っていただく代償としてお酒を差し上げます。ただし、お酒は造るのに時間がかかりますから、あまり多くは差し上げられません。それにお酒は、城塞都市ラプラスに取りに来ていただく必要があります」
「なんだ。この森を守るなど簡単ではないか。それに城塞都市ラプラスとやらは、魔王国の南方の僻地にあると言っておったな。あそこの砂漠にはワームがおったはずだ」
「ご存知なんですね」
「わしが飛べば半日もかからん」
「では、それで手を打ちましょう。これは、守護契約のお礼として差し上げます」
そういうとカルは、鞄からもうひとつ樽を出して氷龍へと差し出す。
「すまんな。この精霊の森はわしが必ず守ってやるからな」
そういうと氷龍は、両手に酒樽を持って精霊の森を飛び立ち氷の塔の頂上へと向かっていった。ただ、氷龍の飛び方が少しばかりふらふらしていたのは気のせいではないようだ。
カルと氷龍のやり取りを見ていた守護妖精のフランソワは、カルが手に持つ氷龍の鱗をじっと見つめていた。
「フランソワも氷龍の鱗が欲しい」
「なら、僕のをあげますよ。これはお猫サマに紐を通してもらったやつですから直に使えます」
カルは、そう言うと自身の首から外した龍の鱗の首飾り?をフランソワの首にかける。
「いいの?」
「その代りにこの精霊の森を守ってください。フランソワさんは、この精霊の森の守護妖精なんですから」
「・・・・・・うん。分かった。カルありがとう」
フランソワは、首にかけられた氷龍の鱗を見て満面の笑みを浮かべ、そしてカルの頬に軽くキスをする。
「このキスは、お礼よ」
黒いワイバーンに乗り守護妖精のフランソワも空へと飛び立つ。
それを見ていたメリルとライラは、カルの両方の頬を指でつねる。
「いたいでふ。なんれふねるんれふか」
「頬にキスされたくらいで顔がほころんじゃってイヤらしい」
「そうですよ。キスっていうのはこうやるんです」
ライラは、カルの唇に自身の唇を重ねる。
「ちょと何をしてるんですか」
メリルは、カルにキスをするライラを無理やり突き放すと、自身の唇をカルの唇に重ねる。
この後メリルとライラの喧嘩が始まってしまい、止めに入ったカルは当然の様にどちらを取るのかと迫られ、延々と小言を言われ続ける羽目になってしまった。
カル達のキス合戦は置いておくとして、この氷龍とのやり取りを遠くから見ていた者達がいた。そうエルフ族の面々である。
「おい、見たか。あの恐ろしい氷龍と取引をしたぞ」
「この精霊の森の守護契約まで結んだのか」
「あの人族の子供は、何か龍と話をまとめる特殊なスキルでも持っているのか」
「おれは、龍よりキスの方がいいな・・・」
「おれも・・・」
エルフ達は、氷龍が恐ろしくて巨木の陰で震えながらカルと氷龍のやりとりをじっと見ていた。だが、その後のキス合戦からの女同士の喧嘩に興味が移ってしまい、肝心の龍の事が記憶から消し飛んでいた。
カルは、精霊の森を守る最強の助っ人(龍)を酒で釣ることに成功したことで、心おきなく城塞都市に戻るかとができる。
そう考えると裁定の木に押し付けられた両国の代表達との話し合いなど途中でほったらかして、早々に城塞都市ラプラスに帰る算段を始めていた。
両国の代表には、何かあれば城塞都市ラプラスまで来るようにと伝えてある。用があれば向こうから来るだろう。カルは、そう安易に考えていた。
ラピリアの苗木と、ラピリア・トレントの苗木を植え終えたカル達は、精霊の森の精霊に最後に挨拶へと向かった。
精霊の森にある精霊の木の前に佇むカルと精霊の森の木の精霊。
「行ってしまうの」
「はい。僕の街にも精霊の森があります。皆も待っていますから」
「そう。今回は、すごくお世話になったの」
「僕も氷龍とお近づきになれましたし、いろんな体験ができました。次にこの精霊の森に来るのがいつになるかわかりませんが、それまでお元気でいてください」
「そう。でもカルとはすぐに会えるの。そんな気がするの」
「えっ、そうなんですか」
「そうなの。精霊の感というか予知というか必然なの」
精霊の言葉に少しばかりの違和感覚えつつも、何か言い忘れていたことがあったような。そしてそれをやっと思い出したカル。
「あっ、言い忘れてました。氷の塔の上に住んでいる氷龍さんにこの精霊の森の守護を頼んでおきました。以前の様にこの森に火を放つ様な輩がいても氷龍さんが助けてくれます」
精霊は、カルの言った言葉に疑問を感じた。氷龍に森の守護を頼むと言っても、この世界で最強の生物が森の守護など引き受けてくれるはずがないのだ。
「いったい、どうやったら氷龍に森の守護を頼めるの」
「それなんですが、精霊さんに飲んでもらった薬、あれってお酒でもあるんですがそれを差し上げたら酒代の変わりに森の守護を引き受けてくれました」
精霊の森の精霊は、頭を抱え込んだ。この世界で最も強い生物が酒代の変わりに森の守護を引き受けたなどという話は聞いたことがない。
「お酒代のかわり・・・なの」
「それでも氷龍に守られる精霊の森は、恐らくこの世界にここだけだと思います。なので氷龍さんと仲良くしてあげてください」
「・・・分かったの」
何か釈然としない精霊の森の精霊であったが、氷龍に守ってもらえる事など本来ならあり得ない話である。それを実現してくれたカルを信頼するしかない。
この不思議な少年により復活した精霊の森の精霊は、他の精霊の森の精霊と力を合わせてある事を始める。
精霊の森の精霊への挨拶を終えカルは、最後にエルフの村にやって来ると族長に挨拶をしてこの精霊の森に別れを告げるつもりでいた。
一通りの挨拶を終えたカルは、族長に呼び止められるとある物を見せられた。それは小さな”鎚”であった。
「我らの村に守り神として伝わったものですが、どうやって使うのかさっぱり分からないのです。それでなのですが、この守り神をカル様にお預けしようと思いまして」
「よろしいのですか」
「どうせ我らでは使えない物です」
カルは、その”鎚”を見た瞬間に何か以前にも感じた違和感を覚えた。この違和感の正体を知っているのは・・・、そう剣爺だ。
カルは、剣爺を呼び出すと目の前の”鎚”を見てもらう。
「剣爺。これって・・・」
「そうじゃな。どう見ても精霊ホワイトローズが作った魔人の一部じゃな。わしが以前に封印したはずじゃが、いかんせん昔の話なので覚えとらんのじゃ」
「でも、ここに置いておいても面倒事になるなら・・・」
「そうじゃな。お前さんが持っていた方がよいのじゃ。もうお前さんは、精霊ホワイトローズが作った魔人を封印した
物をふたつも持っておるのじゃ。それがもうひとつ増えても今更じゃ」
カルは、エルフ族の族長であるオースティンから”鎚”を受け取る。すると案の定である。
「やっとわしを見つけ・・・」
カルは、有無を言わさず腰にぶら下げた鞄の中にその”鎚”をしまい込む。
「こら、何をする。わしの話を聞け。なぜ鞄の中にしまい込む。おい、こら!」
どう見ても精霊ホワイトローズが作った魔人を封印した武具のひとつである事は明白である。いちいちそれに付き合うのも面倒なカルは、その武具を鞄の中に問答無用でしまい込んでしまった。
「はて、何やら声が聞こえてきたような・・・」
エルフ族の族長であるオースティンも”鎚”から聞こえて来るおかしな声は聞こえていたようだった。
「ははは、ただの空耳ですよ」
カルは、そう言ってエルフの村から立ち去ろうとした。だが、エルフ達にもカル達に聞きたい事があった。いや、それはカルにではなくライラにであった。
「カル様。我らも少しばかりお伺いしたことがあります。よろしいですかな」
「はい。どういった事でしょうか」
エルフの族長であるオースティンは、カルにではなくライラに向かって話始めた。
「ときにライラ様がお使いになっている魔法は?」
オースティンの問いかけに少し躊躇するも素直に答えるライラ。
「・・・精霊治癒魔法です」
ライラは、精霊治癒魔法のことを包み隠さずに話す。
「おおっ、我らの希望だ」
「やはり王族の末裔か」
族長の後ろに並ぶエルフ達からはそんな言葉が漏れ聞こえて来る。
「精霊魔法というのは、我らエルフにのみ使える魔法です。さらに、精霊治癒魔法は、エルフ族の王族にのみが使える魔法なのです」
ライラの顔が少しばかり曇り始める。
「精霊治癒魔法は、その体に宿る血により発動します。エルフは、精霊魔法は使えても、精霊治癒魔法は使えません。もしかして血縁者にエルフ族の者はいませんか」
「えっ。あっ、あの・・・・・・母が」
「やはり。ライラ様は、エルフの王族の末裔なのです」
「そっ、そんな」
思わず動揺を隠せないライラ。いきなり王族の末裔だと言われても母親からそんな話は聞いた覚えがない。
「我らエルフの王国は、古代に滅んでしまいました。王族もこの世に生きているのか死んでいるのかすら分からず、もうこの世でエルフの王国の復活は、諦めておりました」
族長は、少しの間を置くと目の前に立つライラの顔を凝視し力を込めて次の言葉を発する。
「ですが、ここにその王族の血を受け継ぐ者が現れたのです」
突然、エルフ達がライラに向かって片膝を付き頭を下げる。
「どうかエルフの王国の再興にお力をお貸し願えませんか」
だが、ライラにそれに答える気など毛頭なかった。カルに対する恩とカルに対する気持ちに正直にいたいという思いの方が遥かに強かった。
「・・・カルさんには、命を助けてもらいました。だからカルさんの側から離れたくないんです。まだ、何も恩返しができていないし。それに私は王国の復興よりも今の生活が楽しいんです。カルさんもそうですよね」
「えっ、そっ、それは」
ライラは、カルの手を握るとカルの腕がわざとライラの胸に当たる様に腕を組んで見せる。
「帰りましょう。私達の住む街に」
ライラは、エルフの族長の問いかけに最後まで答える事は無かった。
カル達は、そのまま馬車に乗りエルフの村を後にする。
「よいかエレン。彼らについて行け。我らのエルフの王国の復興がかかっているのだ。こちらからも応援を出す」
「はい」
エルフ族の族長であるオースティンは、ライラの素性を知りエルフ王国の復興を目論む。だが実際の処、森でひっそりと暮らして金もない者達が大勢集まったところでいったい何を復興しようというのか。突っ込みどころ満載のエルフ族の面々である。
カルは、エルフの村に僅かばかりだが、ラピリア酒の入った樽を置いて行った。ラピリア酒は、お酒でもあるが薬でもあり、樽ひとつあれば病気やケガに困ることは無くなるはずであった。
エルフの村にこの酒樽が置いてあいる事を氷龍が知ったら村はどうなるか。少し恐ろしい気もするが氷龍が知らなければよいのだ。
さて、エルフの村の倉庫に酒樽を置いた事に気が付いたのは氷龍ではなく当然の様に妖精達であった。村の倉庫に鍵をかけて樽を保管したエルフ達であったが妖精達は、その倉庫への侵入方法を熟知していた。
なので鍵を開けると倉庫内に楽々と侵入を果たした。そこからはもう妖精達のやりたい放題である。
昼だというのに妖精達は、エルフの村の倉庫に置いた樽を開けてラピリア酒を好き放題に飲み始め、エルフの村は、ドワーフのバレルの家の様に酔った妖精達であふれかえり足の踏み場もなくなっていた。
その光景を見たエルフ達は、愕然とした。万能薬としてもらった薬、それも樽で貰った薬をたった数時間で妖精が全て飲み干してしまった。妖精達が飲んでしまったからといってまた譲ってもらえるはずがない。
しかもこのラピリア酒(薬)を市場で樽で買うとなると、金貨数百枚では済まない。その光景を見て途方に暮れるエルフ達であった。
そんな妖精達が、お酒の酔いからさめるとある事に気が付いた。樽は既に空でありお酒は一滴も残っていない。では、明日から誰がお酒を用意してくれるのか。
このお酒を持ってきた人族の少年は既にエルフの村から出ていってしまった。今から追いかけてもお酒にありつける保証はない。
ならば、その人族の少年が住んでいる城塞都市ラプラスの近くにあるという精霊の森へ行けば、お酒にありつけるのではないか。
妖精達は、集まると無い知恵を絞り始める。あの少年が残したものを使って森と森を繋げる事はできないか。あの少年の思念がより多く残っているものを利用して。
妖精達は、エルフの村や精霊の森を探し回りあるものを見つける。
それは、ラピリアの木だ。
既に苗木は大きな木へと成長を続けており、黄色い実を成らせている木もあった。
妖精達は、お酒が飲みたいという一心で無駄に無駄に全力を注いだ。全ての妖精が集まりラピリアの木にあらん限りの魔法を注ぎ込む。
そして、妖精達は1本のラピリアの木に妖精の秘術を用いてある事を成し遂げてしまう。恐るべし妖精達。
1本のラピリアの木が金色に光りだすと、木に成ったラピリアの実にこの精霊の森ではない別の精霊の森の姿が映し出された。
そして妖精がそのラピリアの実に触れると、妖精の姿はどこかへと消えていく。
妖精達は、どこに行ってしまったのか。それは・・・。
妖精達は、お酒が飲みたいという一心で妖精の秘術を駆使します。まるでJR新橋駅前に集まるサラリーマンの様です。
小さな妖精1体では何もできなくても、100体、200体と集まれば迷惑も顧みないとんでもない集団へと・・・。