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僕の盾は魔人でダンジョンで!  作者: 純粋どくだみ茶
《第1章》 僕は、おかざり領主になりました。
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05話.鬼人族との闘い(2)

さあ、主人公と敵の鬼人族との戦いだ・・・・・・本当?


「レオ。あれが魔人か。気味の悪いものだな。あんな魔人がこの様な辺境にいたとは驚きだ」


遅れてやって来た鬼人族のルルとリオが現れると、一瞬にして部下を失い、身動きが取れずに立ち尽くすレオへと話しかけた。


「ルル様。お逃げください。あれは無理です。敵う相手ではありません」


レオは、顔面蒼白となり振える体を抑え込みながらルルへと言葉を発した。


「まあ、あれに勝てなければ私もそれだけの力しか無かったということだ」


「ルル様・・・・・・」


だが、鬼人族の元へと歩みを進めていたカルがふと立ち止まり、鬼人族の少女達へと話かけた。


「お願いがあります。ランドルの街を攻撃しないでください」


カルは懇願した。望み薄だとは分かっていたが、言わずにはいられなかった。


「それはできんな」


鬼人族のルルも即答した。できない理由があるのだ。


「私に勝ったら考えてやろう。しかしだ。我々が勝ったらランドルの街は我々のものだ」


「さらに、お主は我々のために一生働くのだ。よいな」


カルは答えなかった。ランドルの街はカルのものではないし、カルは、ちっとも強くなどない。剣爺がくれたあの盾が強いのだ。それを言ったところで相手にされるはずもない。


「もし、お前が我々に勝ったら城塞都市ラプラスの領主の座を譲ろうではないか。交換条件として面白いであろう」


「僕は、都市の領主なんてしたことがないから、領主になっても何をしたらよいか分からないです」


ほう面白いことを言う子供だな。既に勝って領主になった気分でいるのか、ならば。


「では、私が副領主になってお前を手助けしてやろう。それならお前でも領主は務まるぞ」


ルルは、大きな賭けに出た。どのみちあの盾の魔人に勝たなければ先はないのだ。


「ルル様、よいのですか、そんな約束などしても」


「構わぬ。我らとてここで負ければ父上に顔向けできぬ」


「もし、あれに勝てれば我らの戦力として十分以上だ」


「いくぞ」


「「はい」」


鬼人族の3人は、カルが構える”くち”が開いた大盾を見つめながら武器を握る手にさらに力を込めた。


鬼人族の3人の少女がカルに対して真正面から堂々と向かって来る。今までとは違う光景に思わず一歩後ろにさがってしまう。


カルの心の心中を察したのか、剣爺が助け舟を出した。


「カルよ、あの3人を同時に相手にするには、ちと荷が重いのじゃが」


「えっ、剣爺でも?」


「少し卑怯な手を使うとしようかの。卑怯な手は得意中の得意じゃて」


腰の短剣から小人さんが現れると”とてとてとて”と軽い足音を響かせながら器用にカルの肩まで垂直に歩いて上ってきた。


小人がカルの体を垂直に歩く姿は滑稽で面白く思わず笑いがこみ上げて来る。


「ははは。小人さんて器用だよね」


カルの関心する顔から察した小人さんは、黙ったまま”偉いだろう”と胸を張って見せた。


小人さんは、どこから出したのか、2本の金の針と小さな弓を出し、それを構えると2本の金の針を器用に弓にあてがい”ひゅっ”と金の針を飛ばした。


金の針は、弓なりに飛ぶと、3人の鬼人族の左右の少女の頭上に落ちた様に見えた。


”どてっ”。


そんな音と共にふたりの鬼人族の少女が地面に倒れた。


「ほう、見たことのない技を使うか。やはり魔人と言うべきか」


ひとり残ったルルと名乗った鬼人族の少女は、手に持った大きな槍を構えてこちらの攻撃に備えた。


しばらくすると、倒れていたはずのふたりの鬼人族の少女が起き上がり、何か相談をしていたがしばらくすると、ふたりの鬼人族の少女は、槍を構える鬼人族の少女の肩と腕をつかんだ。


「なっ、何をする。リオ、レオ、手をはなさんか。敵は目の前だぞ」


「ルル様、今からとても気持ちよい事が起こります」


「痛いのほんの少しです。すぐに楽にになりますよ」


「まっ、まて。魔人の舌がすぐ目の前だ」


「大丈夫です。痛いのは最初だけですよ」


「では、行ってきま~す」


金の針を撃ち込まれた2人の鬼人族のリオとレオは、カルに手を振りながら満面の笑みを浮かべ、ルルの肩と腕を抑えつけて3人仲良く赤く長い舌に巻きとられつつ大盾の”くち”のなかへとすいこまれていいった。


”ゴックン”。


”ウマヒ”。


「おい、ルル様が食われた」


「鬼人族が食われるってことは、あの魔人かなり強いぞ」


「「「「「逃げろ!」」」」」


鬼人族の後ろで剣と盾を構えていた兵士達は、自分達を指揮していた鬼人達が盾の魔人に食わる光景の一部始終を見ていた。次は自分の番だと悟った兵士達は、我先にと剣と盾を投げ捨て戦意を喪失してちりじりに逃げ帰ってしまった。


また、大盾を構えたカルは戦場でひとり寂しく残された。


”ペッ”。


しばらくすると、盾の魔人が3人の鬼人族の3人の少女が”くち”から吐き出された。だが、案の定と言うべきか剣も盾も鎧も、さらには服もなく裸のままべっとりとした粘液まみれで倒れていた。


「どっ、どうしよう。さすがに女の子だから裸はまずいよね。服、服はないのかな。誰か服を持って・・・・・・僕しかいないんだった」


右往左往しながら慌てるカルを後目に、鬼人族の3人娘は気が付くと自分達が置かれた状況を理解した。そして立ち上がり円陣を組んでヒソヒソ話を始めた。


「どう思う?」


「あの人族の少年ですか?」


「あの盾の魔人は脅威です!」


「そうであろう。ならば上手く口車に乗せて我らの仲間に引き入れるというのはどうだ。城塞都市の領主に祭り上げてしまうのも手だな」


「そんな簡単にいきますか?」


「あの人族の少年は、まだ子供だ。われらで取り囲んで色仕掛けで仲間に引き入れよう」


「子供ですからね。いきなり襲ってきたりはしないでしょう」


「どうせ我らは全員裸だ。失うものは何もない」


「言質を取ればこちらのものです」


「そうですね。私達の冒険者チームに引き入れて身動きできないようにしましょう」


「しかし、ダンジョンでミミックに襲われた時は死を覚悟しましたが、身ぐるみ剥がされるだけで生きて帰れましたね」


「まさかダンジョンを持って歩けるとは脅威だな。しかも倒されても死なないダンジョン。あれなら装備のランクを落としてレベル上げに使えるな。またあのダンジョンに行ってみるか」


「あの少年をぜひ仲間に・・・・・・」


鬼人族のルル、リオ、レオの3人は、作戦会議が終わると大盾の上から顔を出している人族の少年の顔をチラッと見た。3人とも顔つきがニヤニヤしてる。


あきらかに何かを企んでいる顔だが美人の少女3人。しかも裸の少女達に見られたカルの顔は真っ赤だ。


ルル、リオ、レオの3人は、ゆっくりとカルの周りへと近づき、わざと胸がカルの顔に触れそうになる距離まで近づいた。カルの顔は、真っ赤で今にも湯気を吹いて倒れそう。


鬼人族のリオと名乗る少女が3人のなかで一番放漫な胸を揺らしながらカルに向かって話始める。


「おほん。私は、鬼人族のリオといいます。こちらがルル様。現在の城塞都市ラプラスの領主です。こちらがレオです」


「あ、はい。ご丁寧にありがとうございます。私は、カルと言います。人族です」


鬼人族の丁寧な挨拶に思わず頭を下げるカルであった。でも相手の3人は裸だ。下げた頭が少女達の胸にあたり真っ赤な顔は、さらに赤くなった。


「えーとですね、私達は、負けを認めます。城塞都市ランドルへの攻撃は行いません。このまま撤退します」


「うん」


顔を真っ赤にしながら返事をするカル。説明をするリオという鬼人族の大きく揺れる胸に目が釘付けになるカル。さらに裸体を近づける鬼人族の3人娘。


「当初、言った通り城塞都市ラプラスの領主の座を差し出します。城塞都市の領主は象徴としての役割となります」


「城塞都市ラプラスの副領主はルル様となります。都市運営はルル様が執り行いカル殿の城塞都市ラプラスの祭事の手助けを行います」


「・・・・・・うん、しょうちょうって・・・・・・よく・・・・・・わかんない」


カルの知らない言葉を発する鬼人族のリオに対して、気が動転しているカルはただ返事をするだけであり、自分が丸め込まれているなどと気が付くはずもなかった。


よし、”うん”と言ったな。


最後のダメ押しにカルの顔に3人の鬼人族の少女達は、3方向から胸を押し付けた。


「さらに私達の冒険者チームに加入してもらいます。一度入ったら抜けられません。よろしいですね」


「・・・・・・うん、なんだか・・・・・・よくわからないけど・・・・・・胸がその・・・・・・胸が顔に」


やった。言質をとった。これで魔人を使役する少年と盾の魔人を手に入れた。


冒険者チームに入ったからといって抜けられないなんてことはないが、魔人を使役する少年が欲しい3人の少女は、カルにいい加減なことを言って身動きできないようにした。


女性に全く免疫のないカルは、ここで意識が途絶えて倒れてしまった。カルの単純で以外な弱点が露呈した戦いだった。



戦いでは(盾が)強い?のに、戦い以外ではえらい弱い主人公です。いや、いや、最初から弱いんですけどね。


今日は、あと1話投稿予定です。

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