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僕の盾は魔人でダンジョンで!  作者: 純粋どくだみ茶
《第1章》 僕は、おかざり領主になりました。
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25話.盾のダンジョン・リベンジ(2)

さらに下層に向かった鬼人族3人娘達の目にしたものは・・・。


その後、魔法を放つスライムとは出会わずに下層へと降りる階段を発見した。


4階層に降りてきた3人は、3階層とは異なることにすぐに気付いた。


「魔祖が濃いですね。それに寒くて足場がツルツルします」


リオがしゃがむと手でダンジョンの回廊を触り、感触を確かめる。


「冷たいです。ということは氷系の魔獣が出そうです」


「探査魔法に反応です。この先50mに魔獣の反応2体です」


「ならば先手を打ちます」


リオは、2つのファイアーランスを出現させると50m先の魔獣に向かって放った。だが、リオがファイアーランスを放った瞬間に魔獣は猛スピードでルル達の方へと移動を開始した。


リオの放ったファイアーランスは、回廊の50m先で火花を散らしたが、高速で移動する2体の魔獣は既に目の前に現れていた。


「しっ、白いスライムか!」


スライムは、ツルツルと滑る回廊を高速で移動しながらアイスランスを連射してきた。


リオは、大盾を構えるレオの背後に周り込んだ瞬間、レオの大盾に”ガンガンガン”という音と共に複数のアイスランスが命中する音が回廊内に響いた。


スライムは、ルルとリオとレオの足元を軽々と滑りながら高速で後方へと移動していく。


「くそ、移動速度なら2階層のスライムと変わらん」


「探査魔法に反応。スライムが戻ってきます」


「リオ。足元の氷を魔法で溶かしてくれ!」


「・・・はい!」


リオは、ルルの指示に一瞬躊躇しそうになったが、ルルが何を考えているかを直に察した。


リオが回廊の凍り付いた石畳の床に向かってファイアーボールを放つ。


程なくして先ほど通り過ぎたスライムがアイスランスを連射しながら高速で近づいて来る。


レオの構えた大盾に次々とそれが当たる。命中力も抜群だ。回廊の中に大盾に当たるアイスランスの氷が砕ける音が幾重にも響く。


スライムが凍った石畳の床を滑ってルル達の下を通り過ぎようとした時に異変が起こった。


スライムが”ぽてっ”という音とともに滑らずに転がりやがて止まってしまったのだ。


ルルとレオは、待っていましたとばかりに剣と槍を放ちスライムを打ち取ることに成功した。


「あのスライムは、氷の上を滑ることで高速移動を可能にしていました。速さの点で言えば2階層のスライムの方が上だったな」


「はい。ですが環境に順応したスライムですか。まさかアイスランスを連射できるとは。チームに欲しいくらいです」


「そうだな」


「そういえば、村の視察の時にカルの周りにいたのが炎、氷、雷、闇属性のスライムだった。つまりこの先には雷属性のスライムがいる訳か。カルの元にいた魔法スライムが放った雷撃で麻痺したオークが山ほどいた」


「ということは、我々もその魔法スライムとまもなく対峙することになります」


「とにかく行くぞ」


「「はい」」


その後、下層へと降りる階段を発見し5階層に降りてきた。5階層は、寒くもなく快適な空間となっていた。


「相変わらず魔祖が濃いですね。ですが暗くもなくこれといって変わった様子はないで・・・」


そこまで言った瞬間、3人は身構えた。


目の前の遥か遠くまで続く回廊の先が光ったのだ。


「探査魔法に反応あり、魔獣1体が100m先にいます。さらに反応があります。回廊の両脇に並ぶ部屋の奥に魔獣が・・・おそらく魔法スライムです。数は・・・・・・10体以上」


ルル、リオ、レオは、回廊の両脇に並ぶ扉のない部屋の奥を覗き見ると、そこには黄色く光る魔法スライムがあちらこちらに点在しているのが見えた。


「囲まれています。魔法防御の魔法をかけます」


「とにかく回廊を走って囲いから出るぞ、それからどこかの部屋に入ってかわす。はぐれるな」


「「はい」」


ルル、リオ、レオは、回廊を全力で走り、50mほど走ったところで左側に並ぶ扉のない部屋へと入った。


「魔獣の反応は?」


「・・・さらに魔獣反応増大。数、およそ30体」


扉のない部屋の先には、先ほど走った回廊と同じような回廊があり、その先にも扉のない部屋が並んでいいた。


「魔獣の一番少ない方向はどっちだ」


「正面の部屋の出口です」


「ならば進むぞ」


3人は、部屋から出ると回廊をまたいで正面の扉のない部屋へと入った。


その瞬間、回廊内で眩い光が明滅すると複数の雷撃が飛び交い、バリバリという音が回廊内と部屋の中に響く。


3人は、さらに部屋の奥にある出口から回廊に出た。


目の前には黄色く光る魔法スライム2体。さらに振り向くと後ろにも魔法スライム2体が立ちはだかっていた。



魔法スライムは、体に雷撃を帯びており、雷撃を発射する寸前だった。


”間に合わない”。


3人は悟った。


前方と後方の計4体の魔法スライムは、雷撃の雨を3人に放ちリオの魔法防御壁に雷撃が当たると激しいプラズマの嵐が3人を包んだ。


魔法スライムが放つ雷撃が幾重にも連なり魔法防御壁に負荷を与える。


「魔法防御壁、過負荷!」


「くそ。たった5階層で終わり・・・」


ルルが放った言葉は、最後まで言うことはできなかった。


魔法防御壁は、あっけなく崩壊し雷撃を浴びたリオが回廊に倒れた。


続いてレオの大盾に雷撃が集中し、そこから感電したリオが回廊に倒れる。


ルルの目にはスローモーションで倒れていく仲間の姿が映る。


ルルが手に持つ槍は、避雷針となり前後から飛び交う雷撃を浴び真っ赤に焼けていた。既にルルも雷撃を浴びて回廊の壁にもたれかかっていたが、雷撃が止むことはなく自身の肉が焼けるような匂いの中、意識は・・・・・・途切れた。






”ペッ”。


「あっ、3人とも帰ってきた」


大盾の大きな”くち”からルルさん、リオさん、レオさんの3人が吐き出された。


やはりというか、3人ともあられもない姿・・・・・・裸でしだ。


部屋には、誰もいなくて盾のダンジョンから出てきた時のために着替えを用意しておいた。


それと、体が粘液でベトベトなのでそれを拭くためのタオルやバスタオルも。


まずは、お風呂にでも入ってもらわないと。


でも、カルは、領主の館の広間で誰もいないことをもう一度確認するように首を右へ左へと振った。


目の前には、ルルさん、リオさん、レオさんが裸のまま床に倒れている。リオさんは、仰向けに、レオさんはお尻を突き出してうつ伏せで。ルルさんは、仰向けでまさかの大の字になっていた。


リオさん・・・胸が大きい。


レオさんは・・・、胸は見えないけどお尻が大きいんだ。あの・・・丸見えです。


ルルさんは、胸が小さいけど・・・股を大きく開いているので・・・、その、目のやり場に困ります。


「いけない。眺めて顔を真っ赤にしている場合じゃなかった。いみんな僕を信用してるんだから・・・」


カルは、バスタオルを3人の上にかけていく。


レオさんの大きくて柔らかそうな胸に目・・・いや、触りたいという欲求がムラムラと湧いてるけど我慢しないと。


3人は、気が付くと何事もなかった様にバスタオルを体に巻いてお風呂へと向かった。


しばらくすると3人が部屋へと戻ってきた。ところがルルさんが戻ってくるなりいきなりな事を言い始めた。


「カルよ、3人の中で誰が好みだ」


「えっ」


「わしらの裸を見たのだろ。しかもじっくりと堪能する時間はあったはずだ」


「もしかすると、リオの豊満な胸にでも顔をうずめるくらいはしたか」


「・・・・・・」


リオが顔を赤らめながら自分の大きな胸を手で隠す仕草をした。


ルルの言いように思わず顔を真っ赤にしたカルは、顔を下に向けたまま上げることができなかった。


「まあ、あれだな。カルも年頃の男の子だから女の裸に興味があって当然だ」


「カルのことは信用しているから、こんな事を頼めるのだがな」


「これからも盾のダンジョンに入ることはあるからな。なんなら胸に触るくらいは役得ということで特別にゆるしてもよいぞ」


カルは、ルルの言葉にただ顔を赤くして下を向くだけだった。






「リオ、レオ。盾のダンジョンをどう思う」


「はい。スライムですら魔法を放ち、しかも魔法を連射するなど常軌を逸しています。あれでは、迷宮攻略どころの話ではありません。例え装備が整っていたとしてもです。しかも5階層であれだけの魔獣が出るのでは、どう対応してよいのか」


「特に5階層の雷撃を放つ魔法スライムだな」


「村の視察の時、カルの周りには、炎、氷、雷、そして今回は出てこなかったがドレインを放つ闇属性の魔法スライムすらいた」


「ひとつ懸念があります。あの魔法スライムが盾のダンジョンの中にだけいるのでしたら問題ないのですが、もしあれが盾のダンジョンの外に出てきたらと思うとぞっとします」


「既に村の視察の時と、穀物の買い付けの時の峠であのスライムを見ているからな」


ルルは、リオが示した懸念は既に現実であることを告げた。


「という事は、カル様が呼び出せばいくらでも出て来ると?」


「いや、穀物の買い付けの時など、勝手に盾から出て来ていた。魔法スライムですら対応に苦慮する事態になる。あれが盾の中から大量に出てこられたら、都市を守るのは・・・おそらく不可能であろう」


「今後、スライムよりもはるかに強力な魔獣が出現するとなれば、脅威を飛び越えて恐怖となるな」


「「・・・・・・」」


ルルの言葉にリオもレオも言葉が出なかった。


「まあ、あれだ。そこまで気にかけることでもないだろう。きっとカルは、分別のある行動をしてくれるさ」


ルルは、そう言ってはみたが、実際にあの魔法スライムの猛攻を体験した以上、不安は拭いきれなかった。



最後は、やっぱりお約束でした。こんな設定を考えたのは誰だ!・・・私です。


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