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僕の盾は魔人でダンジョンで!  作者: 純粋どくだみ茶
《第1章》 僕は、おかざり領主になりました。
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01話.旅の始まり

なろう初投稿です。つたない文章ですが、よろしくお願いします。

カルは、畑仕事の合間をみて剣を振っていた。


剣は、お爺さんが使っていたショートソードだ。


形見という訳ではないけれど、どこにでもあるショートソードを一生懸命に振った。


カルは、勇者になりたいわけではない。そんな夢物語はお爺さんが読んでくれた本の中の話だ。それは理解している。


ただ、剣士にあこがれ冒険者になってみたいという思いは捨てきれなかった。


まだ小さかった頃にお爺さんに教わった剣技は、いつかきっと役に立つと思う。その時のために忘れないようにと剣の練習を日々の日課にしていた。


でも、毎日の剣の練習もあまり身にはならなかった。それでも剣を振った。


カルは剣を振るたびにお爺さんに言われた事を思い出していた。


「カルは、練習が好きじゃの。でも剣技はさっぱりじゃな。まあ、とにかく練習すればいつか身になるからの」


カルの大好きだったお爺さんもカルが小さい頃に病に倒れあっけなく死んでしまった。






剣の練習の後、カルは畑仕事に戻り畑を耕した。


カルの両親は、去年の流行病で死んでしまいカルは、食べる物を自分で作らなければならなかった。


幸いにして、小さい頃から畑を耕す手伝いをしていたので畑仕事は苦にはならない。


畑仕事を終えると、近くの川で2匹の川魚を釣る。魚は、いつも焼いて食べるのが定番だ。


川のそばに小さな生簀も作った。魚が釣れない時は、生簀に放してある川魚で腹を満たす。


それと、森の中に仕掛けた罠にかかった野ブタの肉と畑でとれたキャベツでスープを作る。


これがカルの晩御飯だ。


飯を食べ終わり辺りが暗くなった頃にまた、お爺さんのショートソードを振る。


カルの毎日は、こうして終わるのだ。






そんなカルは、最近同じ夢を見る。


畑の真ん中にある大岩の下にお爺さんが何かを埋めている後ろ姿で、寝ると必ず見る夢だった。


畑の真ん中には、人の手では動かせない大きな岩がぽつんとあり、畑は、その大岩を真ん中にして広がっていた。


朝起きると、畑に水を撒き雑草を取る。


ふと畑の真ん中にぽつんとある大岩を見上げた。


夢に出て来るお爺さんは、ちょうどこの辺りで何かを埋めていたはず。


何かが気になる。


大岩に近づいてみると、大岩の下の土の中から木箱の様なものの一部が見えた。


土を少し掘ってみるとやはり木箱で、それほど大きくはななく簡単に掘り出す事ができた。


木箱に付いた土をきれいに取り除き家の中へと運び込む。


いくつかの農器具が置いてある作業机の上に掘り出した木箱を置き、釘でしっかりと固定された蓋を開けてみると、中にには、短剣がひとつ、小さな盾がひとつ、鞄がひとつ、それと手紙が1枚だけ入っていた。


近くに置いてあった椅子に腰かけ、手紙を手にとり広げてみるとその手紙は、見慣れたお爺さんの字でこう書かれていた。


「カルよ。この手紙を見たのなら”旅”に出ろ。”旅”に出て世界を見て体験してこい」


この木箱を埋めたのやはりお爺さんだ。カルはそう確信した。夢の中で何かを埋めていたお爺さんの後ろ姿は、この木箱を埋めていたのだ。


カルは、木箱の中から鞘に収まった短剣を手に取ってみる。鞘は何の変哲もない普通の鞘だった。


短剣を鞘から抜いてみると、綺麗な装飾が施された短剣で、柄の部分に小さな青い宝石の様なものが埋められ、キラキラと輝いていた。


短剣を鞘に戻士作業机に置き、今度は木箱から鞄を取り出す。


鞄は、折りたたんであり、取り出すと以外と大きかった。


鞄を開けるといくつかの小さなポケットがあり、そこには金貨5枚、銀貨10枚、銅貨20枚が入っていた。


これだけあれば、贅沢さえしなければ1ヶ月以上は暮らせる。


「お爺さん、これを元手に旅をしろって言ってるのか」


でも、カルはふと考えてしまった。


「もし、このまま旅に出たらこの家と畑はどうなるのかな」


古くて小さな家と決して広くはない畑だが、カルにとってはそれが生活の全てで宝物なのだ。


天井を見上げながら、旅に出て今までと違う何かを求めるのか、それとも今までの様に畑を耕し続け、同じ日々を送るかを天秤にかけた。でも、頭の中の天秤は、どちらにも傾かずただ迷うばかりだ。


そんな時、家のすみの作業机の上で”カタ”と音がした。


何かを落としたのかと思い、テーブルの上に目線を映すと、そこには、小さな小人?妖精?らしきものが。


カルは、お爺さんから妖精というものがいると聞かされていた。妖精が出てくる物語をお爺さんから何度も聞かされたが、それが目の前にいた。


「カルよ、旅に出よう。わしは木箱の中で過ごすのはもう飽きたのじゃ」


妖精は、ローブをまとい髭を生やしたお爺さんの姿をしていた。


「えーと、お爺さんは、妖精?」


「うむ、妖精ではないな。どちらかというと神じゃな」


「訳あってこんな姿をしておるのじゃ」


「神様って創造神様?」


「バカ者、創造神様と一緒にするでない。神といってもいろいろいるのじゃ、その辺りはおいおい話すとしようかの」


「昔な、お前さんの爺さんと旅をしたのじゃ。じゃが、ある時を境に冒険をしなくなってな。わしをあの大岩の下に埋めたのじゃ」


「まあ、あやつにもいろいろあったと思うのじゃがな・・・・・・」


妖精みたいな自称”神様”は、長い髭に手櫛を入れながらあれやこれやと話を続けた。


困ったことに自称神様のお話は長かった。カルもだんだんと”自称神様”の話に飽きたのか、農具の手入れを始めることにした。


「そうじゃカルよ、わしと契約せい。わしと契約をすれば各種10% Offじゃ。ネズミの遊び場も安く入れるぞ」


「10ぱーせんとおふ?」


「嘘じゃ。いやな、わしの声が聞こえる者はほとんどおらぬのじゃ。こうやって話ができるおまえさんには、ぜひ契約を結んで欲しいのじゃ」


「契約をすると何か良い事とかあるの?」


「そうじゃな、剣技がうまくなったり盾技がうまくなる特典付きじゃ」


「本当!」


カルは、その言葉に思わず食いついた。いくら剣の練習をしても強くなれないのなら、誰かに教えてもらう方が自己流より早く覚えられると考えたのだ。


「おまえの爺さんにもいろいろ教えたからのう」


「そうなの!うん、契約する。どうすればいい」


「では、契約の儀式を始めるとするのじゃ」


いつのまにか”自称神様”の後ろから別の妖精?らしき小人が現れた。小人は、小さな男の子の様な姿をしていた。


妖精は、作業の机の上に置いたカルの腕の上を”とてとてとて”と軽い足音を残しながら頭の上まで登ってくると、どこから持ち出したのか小さな針をとりだすとカルの頭に”プチ”っと突き刺した。


「痛っ!」


「男の子なんじゃからそれくらい我慢せい」


カルは、頭の上に虫にでもさされた様な痛みを覚えたが、”自称神様”の言葉通りに痛みを我慢した。


頭の上まで登った妖精は、来た道を”とてとてとて”という足音を残しながら”自称神様”の後ろまで戻ると、いつまにか姿が消えていた。


「さて、カルよ。これでお前さんの血をもらったからには、お前さんの・・・・・・」


コンコン。


「カルいるかい」


「あの声は、いつもカルの面倒を見てくれている村のおばさんの声だ」


「はーい、ちょっとまって」


カルは、作業机から立ち上がると扉を開けた。


「おばさん、お久しぶりです」


「カル、元気にしてたかい」


「はい。でもこんな夜にどうしたんですか」


カルと村のおばさんは、他愛もない話をいくつか続けた後、本題の話へと移った。


「カル、今日はねあまり良い話じゃないんだよ」


「領主さまからね、人手を出せって命令が来たんだよ」


「道の整備ですか?」


「いやね、道の整備や橋の架け替え作業ならよかったんだけど、砦の兵隊の話なんだよ」


「えっ、まさか隣りの都市がまた攻めて来るの?」


「そうらしいんだよ。うちの旦那、去年の戦いで足を悪くしたんでもう戦いには出られないんだよ。村から20人は出せって言われててね」


「領主様からの命令なら逆らえないもんね」


「それで、悪いんだけど明日には村から馬車で砦に向かうんだよ。だから明日の朝までに村に集まれっていう話でね」


「また、急な話ですね」


カルは、少し考えた後に答えた。


「分かりました、明日の朝ですね」


カルは、カンテラをぶら下げて暗い夜道を帰る村のおばさんを見送ると、作業机へと戻り椅子に座った。


「なんぞ急な話じゃな」


「明日の朝早くにには家を出ないと間に合わないね」


「困ったのじゃ、これでは剣技も盾技も練習などできんぞ」


”自称神様”は、少し考えたにこう切り出した。


「仕方ない、わしがお前さんをできるかぎり手助けするしかないの。お前さんに死なれては、わしが困るでな」


「そのためには、あれが必要じゃ」


”自称神様”が指を指した先には、農器具が並んでいた。


まずは第1話です。いろいろ至らぬ点はあると思いますが、なんとか頑張ります。


今日は、あと2話投稿予定です。



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