スタイリッシュ浦島太郎
昔々あるところに浦島太郎という青年がいました。
彼はある時山へ行っては竹槍で天狗を狩り、
またある時海へ行っては釣竿で鯨を三枚下ろしにしていました。
ある日浦島太郎は海鼠を集めて花火にしようと海に向かった時、
チェーンソーを持って体長5メートルほどのウミガメに立ち向かう少年少女の姿を見つけます。
「なぜ亀と戦うのだ」と浦島太郎が聞くと、少年の一人が
「この亀が僕たちの家を壊したのです」と答えました。
ならば仕方ないと浦島がこの場を去ろうとしたところ、
亀が突然「お待ちください」と語りかけました。
「なんと奇妙な」驚く浦島。「とりあえず写メを撮ろう」手に持ったスマホで亀と少年少女を写真に収めます。
浦島が写真を撮っている間にも少年が甲羅に次々と傷を付けて行きます。
「どうか、どうかお助けを」亀は変わらず浦島に話しかけます。
浦島が「見返りはあるのか」とたずねると、
「海の底にある竜宮城へとご案内いたします」と亀は言います。
「なんと恐ろしい亀だ。きっと私を海に沈め肉を食らうつもりだ」浦島は亀を見捨てることにしました。
ああ、痛い。なぜ。どうして。嫌だ――亀は少年少女が持つ
チェーンソーによって、ゆっくりと、確実に肉体を削られ、
その血肉を残さず食べられてしまいました。
「君たち、さっきの亀が言い放ったことを覚えているかね?」
少年少女たちは首をかしげます。
「竜宮城だ。もし存在するならば金銀財宝が眠っているかもしれない。それを取りに行こうではないか」
少年少女たちは賛成しました。
浦島一行が海面を右足が沈む前に左足を沈め、左足が沈む前に右足を沈めるように走っていると、突如巨大なタコが現れました。
「ちょうどよかった。この辺で竜宮城を見なかったか」浦島が問いかけます。
「この下にある」タコが答えます。
「そうか、ありがとう」浦島はタコの頭を殴り、海底へと突飛ばしました。おかげで海水は避けられ、隠されていた珊瑚の城を見つけられました。
振り向くと先程まで付いて来た少年少女のうち半分がいなくなってましたが些細なことです。
浦島一行は竜宮城の門の前へやって来ました。
「すいません、トイレ貸してください」浦島は門は叩きます。
しかし何も起こりません。
浦島が門を壊して中に入ると、そこには内臓が膨らみ動けない魚たちの姿がありました。
深海魚たちは突然水圧が無くなったことによりこの様になったようです。
魚を踏み潰しながら城内を探索しますが、財宝は見つかりません。あったのは変な箱のみです。
「これは金にならんな」浦島が呟き、箱を投げ捨てます。
すると、落ちた衝撃で箱があき、中から白い煙が立ち登りました。
「毒ガスか!」
浦島は外へにげました。
少年少女を置いて逃げた浦島は、頃合いを見て中へ戻ります。
するとそこには、人生の最高の時期にまで成長した少年少女――否、青年淑女たちが体の成長によってサイズが合わなくなったことで破れたり捲れたりした衣服を脱ぎ捨て、激しく前後行為を繰り返すさまがありました。
亀の血肉により精力が増強され、そこにずっと共にいた仲間が第二次成長を終え、肌を小さな衣服で最低限に隠されたようすを目にしたのです。これも仕方のないことでしょう。
「嫌じゃ!この乙姫がどこともしれぬ者の子を孕むなどーー」
その中に見覚えのない豪華に着飾った女性がいましたがババアはスルーです。
そろそろ帰りたい浦島は壁や柱の装飾を剥ぎとって支度をします。すると、隅に青緑色の小さなタコが落ちてました。
生きているようなのでお土産に浦島は持って帰りました。
こうして浦島の大冒険(3時間)は幕を下ろします。
このあと、竜宮城があった場所が海底都市や観光地へ様変わりしたり、浦島が拾ったタコが彼のストライクゾーンど真ん中な幼女へと進化するのですが、それはまた別のお話。
なんでこれ書いたんだ…
ちなみに時代設定とかは考えてません。