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BAD①・死人に梔子

※うっすら残酷な後味の悪い結末です。

「私は榊には会わない」

ライトシェイドにきっぱりと告げる華。


(ライトシェイドはまるで人とは思えないほどに歪に歪んだ金属色の顔で微笑んで、私の意識は――――――――)


次の日、少女の遺体が近くの公共植物園で発見された。


「ねぇ聞いた!?」

「きいたよー隣のクラスの子でしょ」

「遺体には植物園にはない梔子の花が散らばっていたんだって」

「やだこわーい!!」


「あいつ…どれだけ花が好きなんだ」

最後まで花に取り付かれているなんて。

中津は何故、華が死んだのか理解できないと頭を抱えた。


「ライ、彼女は来ないのか?」

オフィスの一室、赤毛の男は秘書であるライトシェイドに待ち人の訪れを尋ねる。

「はい、申し訳ありません榊様」

「そうか…会ってくれないのか、残念だ」

榊は心からそういった。

手元の新聞を手にとって、ある事件に言葉を失った。


「あの子最近来ないけど…バラッド榊の店が気に入ったのかな」

紫髪の男はガラリとした店内を見渡すと黄昏る。



「なぜ…」

深夜、長髪の学生は金髪の男を強く睨む。

「おや?私がどうかしました?」

どこからか、キィキィと不快な音を発する。

深入りするのはまずいと、学生はそれ以上追求せず立ち去る。


「早く会えば、こんなことにはならなかったのに…ねぇ?」

金髪がさらりと夜風に揺れる。


金属の擦れる音が体内から聞こえる。


私はこんなものにはなりたくなかった―――――


その悲痛の叫びは、誰の耳にも届かない。

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