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ライトシェイドBAD①腹心晩に返らず
一人で帰宅しようとしたが、ライトシェイドに止められた。
家の前に着くと、彼は話を切り出した。
「僕が貴女を抱き止めたとき、何か違和感はありませんでしたか?」
ライトシェイドの違和感といえば全部だ。
「そういえばカシャカシャ機械みたいな音がしていた」
「…もう潮時かもしれません」
何が潮時なのだろう。
まだ出会って三週間くらいしか経っていないのに。
ライトシェイドはそのまま振り向かずに去っていく。
「ライが帰ってこなくなって一年か…」
彼はあれ以来、私達の前から姿を消した。
その間、謎の錆びた金属の塊が、川からあがったと街で噂になっていたが、もしかしたらそれは――――――。
今更、知った事を後悔しても遅いだろう。




