榊BAD①言わぬが華
※死人が出ます
「家まで送るよ」
「いや、べつにいい…目立つし」
バラッド榊は有名人だから周りがきゃあきゃあうるさそうだ。
「平気だって誰も気がつかない」
そういって榊が私の手をひいて歩き出した。
「ところでライトシェイドは呼ばなくていいの?」
「一日くらい、いなくても問題はないだろう」
たしかに家につくまで静かだった。
「また明日、待っているから」
「…さよなら、ライトシェイドは呼ばないの?」
「ああ、外出中は傍に付かれてうんざりしていたが、いなくても問題はないとわかったから」
ヨウトは晴れ晴れとしながら帰っていった。
本当に護衛はついていなくて大丈夫だろうか?
というか、ライトシェイドはどうしたのだろう。
いつも付いているならなぜ今日はいないのかが、わからない。
まあ特に気にする必要はないか。
約束の日になり榊のオフィスに向かう。
しかし、どうにも周りが騒がしい。
「亡くなったのあのバラッド榊らしいよ…」
「逆恨みされてたらしいよね…」
昨日、私を送った後、榊は刺されて、死んでしまったという。
あの時、私が焦らせることを言ったから、榊はライトシェイドを呼ばなかった。
送ると言われたとき素直に承諾していればよかった。




