第二章 ③
トーストをかじりながら、姉が話をしてくれた。どうやら、あの蛍という青年・・本名、柏木 蛍は、アキの幼馴染で、お隣さんの高校三年生。
毎朝一緒に登下校しているらしい・・どこの少女マンガだよ。
***
「っと、待たせたな、ほた・・・?!」
玄関前では、蛍ともう一人・・頭のよさそうな少年が話をしていた。
と言っても、凄く険悪な雰囲気なんだけど・・・?
「朝、アキ姉ちゃんを迎えに来るのやめてくれるかなぁ?」
「かわいくねえなぁ、冬ー?」
どうやら、頭のよさそうな少年は冬樹君らしい。
「早く行ってくれないかな?アキ姉ちゃんだって迷惑してると思うんだけど?」
「冬、お前にアイツの考えなんてわからないだろう?」
「さぁねぇ?」
冬香は避難しているのか、そこにはいない。
と、とりあえず止めねえとっ・・
「ほ、蛍!!待たせたな!!」
「おー、今日は早かったなぁ。」
ニコニコと笑いながら頭を撫でられる。
・・・なんだ、このくすぐったい感じ…。
というか、冬樹君の目がコワい。火花がっ!!
「んじゃぁ、俺たちは仲良く登校しますかねぇ・・?」
さりげなく蛍は俺の鞄を持って歩き出す。
「ちょ、大丈夫!!自分で持てるって!!」
「いいから。ホラ、行くぞ。」
・・・コイツ、絶対モテるだろ・・・そして姉ちゃん!!干渉できなくても、ニヤニヤするのやめてくれぇっ!!