candyblue
日が暮れるまで遊んだ。
夏だから暮れるのには時間がかかった。
結局のところ勝敗は引き分けだった。
最後の方は奴の、工藤の得意分野だったから押し切られそうだったが、その前に日が暮れた。
「今日のところは引き分けにしておいてやる。」
「おう。」
「じゃあな。」
「またな。」
「お疲れ様。」
「あ、先輩。」
買い物帰りの先輩に遭遇した。
「半分持ちますよ。」
「ありがとう。」
先輩もいつのまにか俺の家に朝と夕、炊事をしに来てくれる。
さらに昼はわざわざ作り置きをして行ってくれる。
まるで通い妻の様だと幽はからかっていたが、
姉が世話になっているからと受け流していた。
俺としては非常に助かってる。
姉の方はよく分からない。
話しかけても返事はないし、話してくる事もない。
ただただ、そこに居るだけだった。
そんな彼女、先輩の姉、
いつもと違った風貌で目の前に現れた。
「見つけた」
「逃げろ!」
躊躇いなく走り出す先輩。
釣られて走り出す。
訳を聞く余裕もなさそうで、きっと状況は悪いのだろう。
が、予想通り回り込まれた。
「どこに隠した?」
少女は何かを取り出した。
手のひらサイズの小さなスピーカーにもみえる。
「言え」
思わず耳を塞ぎたくなるような高音。
細く鋭く、劈くような音。
言い様のない不快感。
先輩は耳を覆い、膝をついてもがき苦しんでる。
「言わないのなら死ね」
少女は空いている手で先輩の喉元を狙っている。
耳を塞いでいる場合じゃない。
「離せ!」
華奢な腕して無駄に力強い。
「邪魔だ」
呆気なく振り解かれ、多分このままじゃ本当に殺される。
「なぁ!そのうるさい音を止めろって!!」
じゃないと
「じゃないと叩っき斬るぞ!!」
「やってみろ」
耳障りな音に耐えながら
その手に剣を握るイメージ
静かに振り上げ一点目掛けて振り下ろす
結果は思っていたものとは違って、
剣は少女の腕を切り落とせず、
肉の先の骨で止まった。
「!!?」
「ダメなのか!?」
少女は驚いて距離をとった。
なんとか先輩から引き離せたが、
この後勝てるイメージが湧かない。
「お前…!!」
「斬るって言ったはずだ!」
「お前も、殺す!」
_ 「そこまでだ!!!」
声のする方向には_工藤が居た。
「縄張り争いか?化け物ども。
それとも遊んでるのか?」
銃を構えて間に入るように立った。
「…。」
「俺も混ぜてくれよ。」
躊躇なく音もなく発砲された。
気付けたのは少女が回避したから。
アレが自分に向けられていたら、きっと...
「避けんなよ、弾が勿体無いから。」
戦いについて行けないが、2人の表情からするに
工藤は遊びや威嚇はなく本気で殺す気で撃ってる。
少女の方は最小限の動きで着実に駆動に近づいている。
工藤に加勢したいが、今の工藤が味方かハッキリしていないし足を引っ張るだけだろう。
動けないでいると、先輩が少しだけ復活した。
「逃げよう…」
「動けないですよ、今は」
「逃げるんだ…」
「逃がすか!」
頬を何かが掠めた。
後になって熱を感じた。
その熱は痛みに変わった。
「逃げんなよ、こいつ片付けたら相手してやるから...!」
痛みで何かが吹っ切れた。
「はーぁぁ…
だぁれも俺の話を聞かないんだから。
じゃあ俺も、お前らの話を聞かなーい。」
剣を手首に押し付けて軽く引く。
溢れ出す血を啜り_後の事をユウジに任せた。
間がかなり空いてしまいすみません。
他の作品が進むとこっちが止まって、
こっちが止まってると他が進んでるっていう調子です。
全部並行出来ればいいんですが




