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贈りもの  作者: lycoris
2.覚醒
58/73

不思議と体は痛くない。

朝食は美味しかった。

久しぶりに時間に余裕があったので、のんびりと着替えて家を出た。

しばらく歩くと同じ服を着た生徒たち。

今日は遅刻じゃない。

校門で先生に挨拶をした。

「おはよう。体はもういいのか?」

「?特に問題ないですよ。」

「ならよかった。授業中に寝るなよ。」

「はーい。」

多分寝る。


教室に着くと自分の席に別の生徒が座っていた。

退いてくれと頼むと、ここは俺の席だと言われた。

何故かと聞くと昨日席替えをしたのだと。

「じゃあ俺の席は?」

「俺が知るかよ。」

まあそうだわな。

「こっちだよ。」

気さくに教えてくれたこいつは、確かあの時の4人目。

「今日からよろしくね。」

何を馴れ馴れしくこの野郎は。

「ああ、短い間だけな。」

「いやいや、そう言わないで末長くさ。」

「どの口が言うんだ。」

「この口だよ。」

自慢気に大きく口を開けて、真っ赤な口腔内を見せつける。

「分かった分かったから、

いつ続きやるんだよ?」

「や、さすがに万全の君には勝てないよ?」

「何でだ?あの時順番待ちしてただろ?」

「弱った所、せめて余った所だけでも頂ければと思ってたんだけどね。

邪魔が入っちゃった。」

「俺より強いんだろ?」

「そんな事ないよ。

僕一人じゃ君には勝てないよ。」

「…じゃあなんで俺が万全だって?」

「さっき先生と話してたじゃん。

あ、別に普段から着けてるわけじゃなくて、今回は偶々だよ。」

「へー、そう。

じゃあ構わないでくれ、敵同士だろ。」

「そー言わないで、同族の同学年で同クラス、さらには隣の席なんだから仲良くしようよ。

せっかくだからさ。」

「嫌な予感がする。

ロクなことがなさそう。

よって却下。

あとうるさい。」

「厳しいなあ。

ちょっとくらいいいじゃんか、

ねぇ古霧さん?」

「ええ、ほんとケチ。」

振り返ると幽が居た。

「おはよう。」

「…なんでお前がそこに居るんだよ。」

「挨拶も返さないほどケチなのね。

あなたが()()()()()間に席替えしたのよ。」

「はぁ、ほんともう、勘弁してくれ…」

いじける様に机に伏せる。

「嫌よ。」

笑っている幽が想像出来る。

「僕も古霧さんとお近づきになれて光栄だよ。」

「よろしくね。」

先の事はあんまり想像出来ない。が、きっとロクな事はない。

頼むから出来るだけ放って置いてくれ。


兎にも角にも朝から 腹が減った。

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